「もっと薬剤師として患者さんと関わりたいのに…」

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「もっと薬剤師として患者さんと関わりたいのに…」

患者さんとの関わり方

先日、ある薬剤師の方から以下のような相談を受けました。

「入社時には、かかりつけ薬局として地域に貢献していくことの方針に共感して入社したのですが、実際に働き出すと、職場が忙しいこともあり、ただただ作業をこなすだけになっています。もっと患者さんと関わっていきたいと思っているのですが、どうのようにすればいいでしょうか?」

この方だけでなく、薬剤師として当初抱いていた理想と実際の職場での仕事内容にギャップを感じていたり悩んでいたりする薬剤師は非常に多いようです。

今回のコラムは、上記の質問に対する回答という形で話を進めていきたいと思います。

「もっと患者さんと関われる職場で働きたい」
「やりがいを感じられるようになりたい」
「人々の生命や健康に関与しているという実感や責任を感じられるような仕事がしたい」

このような想いを抱いている薬剤師はどのようにすればいいのか?について説明していきますので、同じような悩みを抱えている薬剤師の方は是非参考にしてみてください。

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薬剤師として理想の働き方を実現するために出来ること

患者さんの生命や健康を守る医療人として大きな役割を果たすという崇高な目的を持って薬剤師になったにも関わらず、実際の職場では、一日中調剤室にこもって黙々と調剤作業を続けるばかりで、ほとんど患者さんと接する機会がないという薬剤師や、決められたルーティン業務をこなすのに精一杯で、一人ひとりの患者さんにしっかりと対処することが出来ていないと感じている薬剤師は多いと思います。

では、そういった薬剤師は、どのようにして理想を実現すればいいのでしょうか?


○現在の職場環境を見直す

仕事内容に不満を抱えている薬剤師の多くは、転職することでその不満を解消しようとしますが、その前に、現在の職場をもう一度見直してみては如何でしょうか?

現在の職場では要望を叶えることが難しくても、系列の店舗の中には、もっと患者さんと関わりながら働ける職場があるかもしれませんし、認定薬剤師や専門薬剤師等の資格を取得したりと、自分の知識やスキルをアップさせることができれば、もっと別の役割の仕事を任せてもらえるようになるかもしれないのです。

或いは、現在職場で行われている業務内容を見直すことで、理想の職場や働き方を手に入れられるかもしれません。

その職場で働いている人間が、「患者さんと関わりながら仕事が出来ていない」という不満を感じているということは、実際にそのサービスを利用している患者さんも、同じような不満を抱えている可能性があります。

職場内で働く人間がそれぞれに与えられた役割を機械的にこなすだけでなく、もっと患者さんと深く関わっていくことが、患者さんの満足度だけでなく経営上の利益にも繋がるということを経営者や上司に理解してもらい、それを実現する為の業務改善案を提示することが出来れば、理想の職場に作り変えていけるかもしれません。

一薬剤師が、業務内容の改善法の立案から実践までを行うのは大変だと思いますが、もし成功すれば、薬剤師にとって理想の職場が出来るだけでなく、それなりのポジションも手に入るようになるはずです。
検討してみる価値は、十分にあるのではないでしょうか。

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○在宅医療に携わる

調剤薬局で働いている薬剤師が、「患者さんとの関わり」を得る為に最も効果的な方法は、在宅医療に携わることです。

在宅医療に携わるようになると、薬局内で薬を作るだけの業務ではなく、以下のような仕事が出来るようになります。

・患者さんがいる自宅や施設に直接薬を届ける

・患者さんの顔色や病状を見たり、ご家族の方に患者さんの様子を伺ったり相談に乗ったりしながら、服薬指導や薬歴管理を行えるようになる

・医師や看護師やケアマネージャー等の医療従事者と連携を取ったり状況を共有したりと、チーム医療の一員としての実感と責任を持った仕事ができるようになる

・終末医療における緩和ケア、無菌調製を含む調剤等、より専門性が高い仕事ができる

このように、患者さん本人や患者さんのご家族とより深く関わっていくと、薬剤師として、より使命感を持って仕事に取り組めるようになるだけでなく、観察眼やコミュニケーション能力も高められるようになります。

また、様々な医療従事者と協働する経験を積んだり、専門性の高い仕事のスキルを身に付けると、薬剤師としての価値が高まり、キャリアの幅も広がるようになるでしょう。

因みに、認定薬剤師資格の一つに、「在宅療養支援認定薬剤師」があります。
より深く在宅医療に携わりたいという方は、資格取得にチャレンジしては如何でしょうか。
(一般社団法人 日本在宅薬学会 http://www.jahcp.org/credential/index.html)


※今後、高齢化が急速に進行していく状況においては、医療費の抑制を目的として療養病床の数が減らされ、多くの高齢者が病院ではなく自宅や施設で医療や介護を受けるようになり、薬局に来てくれる患者さんの数は減少していくことになります。

更に、薬価や調剤報酬のマイナス改定は今後も続くことが予想されていますから、調剤薬局の経営は益々厳しくなっていくと思われます。

そのような状況の中で調剤薬局が生き残っていく為には、在宅医療や地域医療の分野に積極的に取り組むことが必須になってきているのです。
(既に、ほとんどの6年制の薬剤師は、実習で在宅医療の現場を経験しています)

個人的には、患者さんへの関わりや仕事に対するやりがいを求める薬剤師だけでなく、これからも薬剤師として長く働き続けたいというすべての薬剤師にとって、在宅医療へ携わる事が必須となる時代が早々に来ると考えています。

もし、現在の職場が在宅医療に取り組んでいないのならば、取り組みの必要性を進言しても良いと思いますし、それが聞き入れられないのならば、転職を検討してみるのも一つの手だと思います。

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○病院薬剤師になる

現在、調剤薬局やドラッグストアや企業で働いている薬剤師の方は、病院薬剤師を目指してみては如何でしょうか?

病院薬剤師になると、注射薬の調剤や難しい薬を取り扱うようになったり、業務内容も多岐に渡り、夜勤や時間外労働もあるので仕事はハードになりますが、それらを補って余りあるだけのやりがいが得られるようになります。

入院患者一人ひとりの回復具合をしっかりと見たり、入院患者の方々やそのご家族とコミュニケーションを取る機会が増えることで、感謝の声を直接聞くことができるようになるのは、薬剤師にとって大きな喜びとやりがいに繋がるはずです。

また、チーム医療の一員として医師や看護師と協働していくことで、薬のプロフェッショナルとして大切な役割を担っているという自負を持てるようにもなります。

調剤薬局やドラッグストアと比べると、求人案件の数も少なく競争率も高いですが、チャレンジするだけの価値は十分にあります。
(但し、新卒ではなく中途で病院への転職は、薬局やドラッグストアより門戸が狭いと言わざるをえない点は、知っておいてください。病院の場合、新卒採用である程度必要な採用が毎年できるから中途での採用に力を入れているとことは多いと言えないのが、現状です。)

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まとめと補足

「ただ作業をこなすだけでなく、もっと患者さんと関わっていきたい」という相談に対する回答としていくつかの方法を挙げてみましたが、上記した方法がすべてという訳ではありません。

現在の勤務先の状況、自分が持っている知識やスキル、周囲の環境、目指している方向等によって、人それぞれ理想の働き方を実現する方法は違ってきます。

一番大事なのは行動を起こすことです。

どのような方法を取るべきか・・・・
もっと良い方法はないのか・・・・

悩み続けているだけでは、いつまで経っても状況を変えることはできません。

幸いなことに、現在は、薬剤師の採用に頭を悩ませている職場が多いという、薬剤師にとって非常に有利な状況です。
このような状況では、多少の失敗はいくらでも取り返すことができます。

理想の働き方を手に入れる為に、どんどん行動を起こしていきましょう。

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※認定薬剤師や専門薬剤師や病院薬剤師について、もっと詳細が知りたいという人は、以下のコラムを参照してください。

 コラム「薬剤師のキャリア形成を考える必要性が高まっている理由とは

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