マインドセット , 年収アップ - 薬剤師求人キャリアコラム -
薬剤師はパートでは、いくらお金を稼ぐべきなのか?
パートとして働く場合の収入について
薬剤師という職業には様々なメリットがありますが、その中の一つに「ライフスタイルに合わせた働き方が出来る」ということがあります。
一般的には、大学卒業後に正社員として薬剤師としてのキャリアをスタートさせる人が多いと思いますが、薬剤師資格さえ持っていれば、結婚、出産、育児、介護、夫の転勤・・・等、人生の中で起こり得るあらゆる出来事に対して、パートやアルバイト、派遣社員、契約社員といった雇用形態に切り替えることで適時対応が可能になるのです。
・結婚後に、家事と両立する為に正社員からパートに切り替える
・子育てが落ち着くまでは休職し、保育園に預けられるようになったら復職する
・夫の度重なる転勤に合わせられるように、派遣社員に切り替える
・家計の支出を補う為に、週末だけ近所の調剤薬局やドラッグストアで働く
・・・・・etc
中でも、時間や曜日等、自分のライフスタイルや事情に合わせた働き方が出来るパートは、既婚の女性薬剤師にとって非常に都合の良い働き方と言えるでしょう。
しかも、薬剤師は、他の一般的なパートと比べて非常に時給が高いので、少ない労働時間で多くのお金を稼ぐことが出来るというメリットもあります。
実際、パートとして働く女性薬剤師は非常に多く、パート薬剤師の約7割が30~40代で、その中の約8割が子持ちの女性となっていることからも、パートという働き方が、多くの女性薬剤師にとって有益な働き方ということがお分かり頂けると思います。
このように、女性薬剤師のライフスタイルの変化に適応する働き方として当り前となっているパートですが、実は、パートのメリットを最大限に活かして充実したライフスタイルを実現している人がいる一方で、パートのメリットを正しく理解せず、間違った働き方をしている人が少なくありません。
中でも、収入や働き方に対して、理解が足りなかったり誤解をしていることで、時間や労力等を無駄にしてしまったり、キャリアに悪い影響を与えるような働き方をしている人が数多く見受けられます。
では、パートとして働く場合には、働き方や収入に対してどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?
どのような働き方をしたいのか?
パートとして働く場合には、まず、その目的を明確にしなければなりません。
例えば、
・子育てや介護を、出来るだけ自分の手で行いたい
・お金より、家庭のことに比重を置きたい
・夫の仕事や生活を支える時間を多く作りたい
・将来に対する不安を減らす為に、出来るだけ多く貯金したい
・・・・・etc
これらの目的によって、働き方が決まることになります。
・夫が子供の面倒を看てくれる、週末だけ働く
・子供が保育園や学校に行っている時間だけ働く
・出来るだけ短時間で多く稼ぎたいので、夜間勤務をする
・目的を達成する迄、数ヶ月だけ働く
・・・・・etc
フルタイムの正社員ではなく、パートという働き方を選ぶ人には、仕事以外に重視する“何か”があるはずです。
そういったことを明確にせず、単に「お金さえ稼げれば良い」といった考えでいると、限られた時間や労力を適切に配分することが出来ず、目的の達成に余計な時間が掛かってしまうどころか、仕事以外の貴重な時間さえも無駄にすることになってしまいます。
パートでは、いくら稼ぐべきなのか?
パートとして働き始める場合に、多くの人が気にするのが、[103万円の壁][130万円の壁]というものです。
[103万円の壁]
パートで収入を得る場合、給与所得控除の65万円と基礎控除の38万円を収入から控除できるので、65万円と38万円の合計103万円までは住民税や所得税といった税金がが掛かりません。
また、夫が働いている会社に配偶者控除の制度がある場合には、パートの収入を103万円以内に抑えることで、夫は38万円の配偶者控除を受けることが出来ます。
[130万円の壁]
パートの収入が130万円を超えると、社会保険(年金、健康保険)が夫の扶養から外れ、自分で社会保険に加入し、保険料を払う義務が発生します。
その場合には、最低でも年間30万円程度の負担額になってしまうので、130万円を超える場合には、160万円以上は稼がないと、かえって手取り額が減ることになります。
パート薬剤師の時給の相場は、現在、1500円~2500円と言われています。
仮に、時給2000円で考えた場合、103万円以内に抑えたいのならば、週に約10時間(2日程度)働くことになり、130万円以内に抑えたいのならば、週に約13~14時間(3日程度)働くことになる計算です。
この数字をどのように判断し、いくら稼ごうと考えるのかは、パートとして働く目的や働き方であったり、抱えている事情等によって変わると思いますが、最も大事なのは、現状の目に見える問題だけに囚われず、長期的な視点を持って物事を考えることです。
配偶者控除制度は、現在、国会で廃止が検討されています。
まだ確定ではありませんが、消費税も10%になることが予定されています。
今後の経済や景気の動向がどうなるかは、誰にも分かりません。
しかし、高齢者の増加に伴って、社会保障費の削減は続くでしょう。
薬剤師の売り手市場は終わりを迎え、競争激化時代が来ることも予測されています。
法律改正、規制緩和、技術の進歩により、薬剤師の役割も変わってくると言われています。
また、いずれはフルタイムの正社員として復職することを考えているのであれば、出来るだけ知識やスキルが途絶えないようにする必要があります。
これらの事を勘案した場合、どのようにするのが最善だと思われますか?
子育てや介護といった特別な事情があるのなら、出来るだけ労働時間を減らして、効率的な働き方をする方が良いと思いますが、もし、単に「税金が安くなるから」「周りの人がそうしているから」といった理由ならば、[103万円の壁]や[130万円の壁]に拘らず、出来るだけ多くの時間働いて、知識やスキルの維持や向上に努めたり、多くのお金を稼いだ方が良いとは思いませんか?
補足
ブランクからの復職をスムーズに行う為の方法としても、パートという働き方は非常に効果を発揮します。
その方法を詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にして下さい。