薬剤師さん、転職に適した時期に惑わされてはいけません

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転職のポイント - 薬剤師求人キャリアコラム -

薬剤師さん、転職に適した時期に惑わされてはいけません

転職する時期より重視すべきものとは・・・

「もっと良い職場はないかなぁ・・・」と、転職を意識し始めた薬剤師が最初に検討することの一つに“転職の時期”があります。
転職を検討している人ならば誰でも「転職を有利な形で進めたい!」という思いがあるのは当然ですし、その為の一つの要素として、転職に有利な時期に転職活動を行うというのも分るのですが・・・・・
長年、薬剤師の方々の転職をお手伝いさせて頂いている私が、最近の転職市場の動向を見ていて思うのは、「“転職に適した時期”は本当にあるのか?」ということです。

確かに、薬剤師という職業は転職する人が多いということは間違いありません。
一定の時期や期間に薬剤師の退職が増える傾向があるというのも事実でしょう。
インターネットを使って薬剤師の転職の時期について調べてみれば、ほとんどのサイトで似たような内容が書かれています。

だからといって、こうした情報を鵜呑みにして本当に良い転職が出来るのでしょうか?

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今回のコラムは、“薬剤師の転職する時期”について考えていきます。

何となく転職を意識し始めたばかりの人、転職することは決めているが具体的な行動には移していない人、いつ転職するべきか迷っている人・・・、こういった薬剤師の方々にとって少しでも参考になればと思っていますので、是非、最後まで読んでみてください。

 

世間一般で語られている常識は本当に正しいのか?

既に転職活動を始めているという薬剤師の方々の中には知っているという人もいるかもしれませんが、インターネット上に無数に存在している薬剤師の転職関連のサイトや、転職支援サービスを提供している紹介会社のサイトでは、「転職するには時期選びが重要」「転職に有利なのは○月~△月と□月・・・」といったことがよく述べられています。
果たして、それらのサイトに書かれている内容は、どれだけ信憑性があるのでしょうか?
そして、転職に適した時期や有利な時期といったものは、本当にあるのでしょうか?

様々なサイトで様々な“転職に適した時期”の根拠が述べられていますが、実は、サイトによって多少の違いがあり、それらを一覧にすると以下のようになります。

1月  → 冬のボーナス支給後は退職者が増える
2月  →
3月  → 年度末で退職者が増える
4月  → 新年度への切り替え伴って、人の移動も増える
5月  →
6月  → 夏のボーナス支給後は退職者が増える
7月  → 夏のボーナス支給後は退職者が増える
8月  →
9月  → 秋口になると退職者が増える(理由はよく分からない)
10月 → 風邪やインフルエンザに罹る人が増え、薬剤師の需要が高まる
11月 → 風邪やインフルエンザに罹る人が増え、薬剤師の需要が高まる
12月 → 冬のボーナス支給後は退職者が増える

如何ですか?
この一覧を見て、どのように思われましたか?

そうです。
この一覧を見る限り、もうほとんど「一年中が転職に適した時期」になってしまうのです。

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転職に適した時期など気にしても仕方ありません

勘違いしないで欲しいのですが、私は、上記の表に書かれている“転職に適した時期の根拠”が間違っていると言いたい訳ではありません。

・夏や冬のボーナス支給後
・年度末や新年度による人の移動
・患者さんの増加に伴う薬剤師需要の高まり

こういった情報を元に転職活動を行っている薬剤師が多数いることも事実なのでしょう。

しかし、私の経験からすると、上記の一覧のような情報通りに物事が進むのは稀なことだと思わざるを得ないというのも本音です。
例えば、12月にボーナスが支給された後に今の職場を辞めて新しい職場に転職するという計画を立てている薬剤師がいたとして、果たして、そんなスムーズに物事が進むでしょうか?

都市部での薬剤師不足は少しずつ解消されてきたとはいえ、まだまだ多くの地域では薬剤師不足の状況が続いており、すぐに薬剤師を雇用出来る状況ではありません。
それに、薬剤師を雇用する為には、それなりのお金と時間と労力が掛かります。
そういった状況の中では、「退職します」→「分りました。良いですよ」と、思い通りに物事が進むことの方が少ないと思うのです。

12月に退職する予定が、慰留された結果、1月になり、2月になり、3月に・・・というのは、私の元に転職の相談に訪れる薬剤師にもよく見られるパターンです。
こういったケースだけを考えても、上記の一覧(業界の常識)の信憑性には疑問符が付けられると思います・・・というより、現在の状況を総合的に鑑みれば、転職の時期など気にしても仕方がないという結論に至るのが自然なのではないでしょうか。

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転職の時期より重視すべきこと

実は、私が薬剤師の転職に適した時期に疑問を呈するようなことを言うのには、「転職に適した時期の業界の常識」以外に、もう一つの理由があります。
それは、、転職するのに適した時期に関する情報を求め、そこに書かれている内容を参考にして転職活動を行うよりも、転職を成功させる為には、もっと他のことに目を向ける必要があると思っているからです。
現在の職場を退職して、新しい職場への転職活動をする場合、多くの事を考えたり行動に移さなければなりませんが、転職活動中の薬剤師の多くが、“やるべきこと”と“やるべきでないこと”の区別が上手に付けられていません。

一人の人間が出来ることには限界があります。
(私の個人的な意見ですが、)薬剤師という人種は、マジメで一つの物事に対して真剣にコツコツと取り組む人が多いように思います。

また、あれもこれもと考えるのは必要なことですが、情報を集めすぎて、その情報に惑わされ過ぎたり、何から手を付けたら良いのかが分らず身動き出来なくなっている、といった人も少なくないようです。
そういった人にとって必要なのは、『自分でコントロール出来ないものに拘らず、自分でコントロール出来ることだけに集中する』という考え方です。

例えば、これまで述べてきたような“転職に適した時期”といったものは、自分の力でコントロール出来るものではありません。
自分の理想を叶えるような求人案件がいつ出てくるかといったものは、求人を行う側に100%委ねられているものであり、自分ではどうしようもないのです。

そのような事に関する情報収集等に必要以上の時間や手間を掛けたり、得られた情報に左右されても仕方がありません。
まったく無駄とは言いませんが、そういった情報はあくまでも参考程度に留めるようにして、自分の目的を達成する為に、理想を叶える為に自分が出来ることに集中するようにしてください。

そうすれば、理想の転職に一歩近づくことが出来るはずです。

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【注意】

コラムの内容は、“すべての”「転職に適した時期」や「求人情報の収集活動」を否定するものではありません。

大手企業や医療機関によっては、募集時期が決まっているいるところもありますので、自分のキャリアや志向、転職条件に沿って適時対応するようにしてください。

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