薬剤師が、職場を円満退職する方法

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薬剤師が、職場を円満退職する方法

トラブルなく退職するには

「売り手市場」といわれる現在、多くの薬剤師がより良い職場や働き方を求めて転職活動に励んでいるようですが、実際に転職活動を行って新しい職場に就職するまでには、身体的だけでなく精神的にも相応の負担が必要となります。

中でも、「現在働いている職場を退職する」ことは、精神的にかなりの負担を強いられる場合も多く、多くの薬剤師の悩みの種になっているようです。

今回のコラムでは、薬剤師が「職場を円満退社する方法」をお伝えしていきます。

また、退職について最も悩んでいると思われる薬剤師の為に、「ブラック企業への対処法」も併せてお伝えしていきたいと思います。

「転職を考えているが、また退職の意思を伝えていない」
「円満に退職するにはどうしたらいいか分からず悩んでいる」
「今の職場がブラック企業で、なかなか辞めさせてもらえない」

このような悩みを抱えている人にとって、今の職場を円満に退職する為のヒントや答えを見つけて頂ければ幸いです。

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職場を円満退社する方法

○退職の意思を伝える時期
→退職の意思を伝えるのは、「出来るだけ早めに」というのが大原則です。
民法上では、2週間前までに退職の意思を伝えるように定められていますが、たった
2週間では業務の引継ぎや後任の採用等も難しくなり、迷惑を掛けてしまいます。
また、今の勤務先の就業規則に退職時期の項目がある場合には、それに従う必要があるので、事前にチェックしておくことも必要になります。
いずれにしても、円満退社を望むのならば、出来るだけ早めに伝えるに越した事はありません。

○退職の意思を伝える相手
→最初に話をすべきなのは、直属の上司です。
調剤薬局に勤めているのならば、管理薬剤師になります。
(直属の上司を飛び越えて、更に上の上司や経営者に退職の話を切り出すのは、
ビジネス上ではマナー違反になるので注意してください)
そして、直属の上司に退職の意思を伝える場合には、いきなり書面で「退職願」を出すのではなく、まずは、口頭で伝えるようにしましょう。
よくある失敗は、直属の上司に伝える前に、同僚や先輩に話してしまうことです。
「仲良くやっているし大丈夫だろう」と思って話すのだと思いますが、同僚や先輩にとっては、貴方が辞めるということは、自分の負担が増える可能性に繋がる重要な話であり、聞かされた方は不安になるはずです。
貴方が辞めた後の対処法を誰かに相談するのは、当り前と考えるべきでしょう。
或いは、「大丈夫」と思っているのは自分だけという事も十分に考えられます。
いずれにしても、他人の口を塞ぐことは出来ないということだけは憶えておいた方がいいと思います。

※退職の理由
多くの場合、退職の意思を伝える時には、退職の理由を聞かれると思います。
その際には、「給料が低い」「人間関係が悪い」「スキルアップ出来ない」といったことが理由であっても、それをそのまま伝えないようにしてください。
円満に退職するには、やはり、相手からの心象は悪くしない方が良いです。
「給料が低い」ではなく、「子供の学費でお金が必要になるので、将来に備えて」
「人間関係が悪い」ではなく、「違う職場で人間性を磨きたい」
「スキルアップ出来ない」ではなく、「もっと多くの事を学びたい」
というように、前向きな表現で伝えるようにすれば、相手も納得してくれやすくなるはずです。

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○業務の引継ぎ
→退職する際には、後任の薬剤師か、(すぐに後任の薬剤師が見つからない場合には)同僚や先輩の薬剤師に自分の業務を引継ぐことが必要となります。
業務内容にもよりますが、引継ぎは時間を掛けて確実に行うことが大事です。
特に、企業の研究開発の部署や、在宅医療を行っている場合等、自分が重要な役割を担っていたり、簡単に代わりがきかない業務を行っている場合は要注意です。
また、MRの場合には、後任に医師やその他の関係者を紹介したり、業務上必要な情報等をしっかりと伝えておくことも必要になります。

○その他、退職日までにしておくこと
→退職日までに、会社から支給や貸与されたものはすべて返却しなければなりません。
健康保険証・名刺・制服・社員証・定期券など、返し忘れがないようにしてください。
貸与されている携帯電話やPCのデータの整理も忘れずに行いましょう。
退職時に受け取るものは、年金手帳(会社が保管している場合)・雇用保険被保険者証・源泉徴収表・離職票・・・等です。
(離職票は、転職先が決まっている場合には必要ありませんが、万が一の事も考えて受け取っておきましょう。離職票がなければ、失業給付手続きが出来ません)

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引き留め工作

コラム冒頭でも述べたように、薬剤師の転職市場は「売り手市場」であり、慢性的な薬剤師不足に悩んでいる企業や薬局は非常に多く、そういった企業や薬局に対して退職の申し出を行っても、「分かりました」「いいですよ」と素直に応じてくれる可能性は低いです。

多くの場合、なんとかして退職を思い留まらせようと、あの手この手で引き留め工作を行ってくるようになります。

○説得してくる
→「考え直して」「もう一度、よく考えてみて」「どうして?」「不満なところは直すようにするから・・・」等、なんとか説得しようと試みてきます。
或いは、「今辞められたら困る」「助けて欲しい」「お願い」と、情や責任感に訴えかけてくるかもしれません。
しかし、実際に思い留まったからといって、その約束が実行されるとは限りません。

○条件交渉
→「給料を上げるから・・」「人を増やして休みを取れるようにするから・・」「残業を減らすから・・」等、一見、有利と思われるような条件を提示してきます。
しかし、多少給料が上がったとしても、昇給率が低くなるかもしれませんし、賞与が減るかもしれません。
数日間の休みをもらえるかもしれませんし、一時的に残業は減るかもしれませんが、薬剤師の数が増えなければ根本的な問題解決にはならないので、今後どうなるかは分かりません。
   
○周囲の人間を巻き込む
→上司からの説得や条件交渉では埒が明かないと思われた場合、貴方の同僚や先輩を使って引き留めを図ろうとしてくる場合もあります。
「貴方が辞めたら私達も困る」「自分だけズルい」「皆で会社を良くしていこう」等と言ってくるかもしれませんが、多くの場合、上司に言わされていたり、自分の負担が増えることを嫌がっているだけです。
「嫌われたくない」という気持ちになるかもしれませんが、このような状況になってしまった場合には、自分の意思を貫く方が、結果的には良くなるはずです。

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説得に負けたり、交渉に疲れたりして、退職を考え直そうと思うかもしれませんが、一度
退職を申し出た貴方に対する会社や同僚の信用度は確実に下がります。

そしてそれは、昇給や賞与等の待遇に表れてきたり、同僚の貴方に対する態度に表れるこ
とになります。

また、もし会社が新たな薬剤師の採用に成功すれば、会社にとって貴方の必要性は大きく
下がることになり、待遇や対応はそれなりに変化するはずです。

いずれにしても、同じ職場でそのまま働き続けても、良い事は何もありません。

一度、退職すると決めたら、絶対に撤回しないという覚悟が必要です。

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ブラック企業への対処法

貴方が今勤めている企業や薬局がブラックだった場合、そして、その企業や薬局が薬剤師
不足の状態の場合には、普通の企業や薬局以上に辞めるのは難しくなると思います。

※ブラックとは、どのような企業や薬局のことを指すのかは、
コラム「転職時にブラック調剤薬局か見極める5つのチェックポイント
を参考にしてください。

ただ、ブラックでも普通の企業でも、退職の方法は基本的に同じと考えてください。

大事なのは、「どうせブラックだから・・・」といった偏見を持ち過ぎないこと。

「どうせブラックなんだから、迷惑かけても構わない」といった考えでいると、上手くいくものも上手くいかなくなってしまいます。

どのような企業であったとしても、その企業を経営しているのは同じ人間です。
貴方が失礼な態度を取れば、相手もそれに応じた態度を取ってくることになります。

特に、ブラック企業の場合は、普通の企業より、モラルや倫理観が欠如していることも多いので、相手を怒らせないことが重要です。

退職時に迷惑を掛けたりすると、意味も分からぬような難癖を付けてきたり、何らかの理由を付けて損害賠償を請求してきたりするかもしれません。
或いは、貴方の転職先を突き止めて連絡してきて、そこで貴方の悪評を広めようとするかもしれないのです。
そんなことだけは、絶対に避けなければなりません。

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また、ブラック企業を退職しようとする際には、特に以下の事に注意して事を運ぶよう
にしてください。

・就業規則があれば、それをしっかりと読み、普通の企業より時間的に余裕を持って退職するようにすること。

・出来るだけ相手が納得せざるを得ないような理由を提示し、交渉もお互いが納得いくまで充分に時間を掛けて行うこと。

・業務の引継ぎは確実に行い、退職後に迷惑を掛けないようにすること。

・最後の日までしっかりと働き、出来るだけ相手に良い印象を持たれたまま辞めること。

好きでブラック企業に就職した訳ではないと思いますが、就職してしまった以上、仕方ないと諦めるしかありません。
これからは、ブラック企業を辞めることに全力を注いで下さい。

そして、次の転職先を選ぶ際には、しっかりと情報収集をして、良い就職先を見つけるようにしてください。
くれぐれも、安易に好条件に飛びついて、ブラック企業に就職することがないように気をつけましょう。

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