薬剤師(正社員)以外の働き方のメリット・デメリット

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薬剤師(正社員)以外の働き方のメリット・デメリット

正社員以外で働く方法

今回のコラムは、働き方についての悩みを抱えている薬剤師の、以下の質問にお答えしていきたいと思います。

Q.「結婚を機に、今のフルタイムの正社員という働き方を変えようと思っています。
パートと派遣、それぞれのメリットとデメリットを教えてください」

正社員以外の薬剤師の働き方


質問では、パートと派遣のメリットとデメリットについて教えて欲しいとのことでしたが、
正社員以外で薬剤師が働く方法は他にもあります。

それぞれの働き方を知っておくことで、結婚以外でも様々な生活環境の変化や状況に対応出来るようになりますので、是非、参考になさってください。

※下記に記載する内容は、あくまで一般的なものであり、全ての企業に当てはまる訳ではありません。就職を検討している企業がある場合には、必ず事前に確認を行うようにしてください

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パート社員として働く


パートとは、就職先の企業と雇用契約を結び、その企業から給料を受け取る働き方です。
パート薬剤師の多くは非常勤での雇用となり、給料は時給制なので、労働時間に応じて給料は変わります。時給は、約2,000~3,000円が相場です。
パートで働く薬剤師の大半は女性と言われています。
中でも、30~40代の比率は約7割もあり、その内の8割の人が既婚で子持ちです。

○メリット

・勤務時間や曜日などを、自分の都合に合わせることが可能
→子供がまだ小さく保育園や幼稚園の送り迎えが必要な人、親の介護をしている人、その他家庭の事情や都合によって、午前中だけ、午後だけ、夜間だけ、土日だけ等自分の都合に合わせた働き方が出来ます。
 
・異動や転勤がない
→パートで働く場合には、基本的に勤務地は決まっており、異動や転勤をすることはほとんどありません。
但し、複数店舗を経営している大手チェーンの薬局やドラッグストアの場合、他の店舗のヘルプをする必要がある場合もあるようです。
 
・夫の扶養控除の範囲内で無理なく働ける
→夫がサラリーマンで、扶養手当が支給されている場合には、その範囲内に収まるように働くことが出来ます。但し、その際には、年収を103万円以内に収める必要があります。

・社会保険に加入することが可能な場合も
→パートであっても、所定の労働時間や就業期間を満たしている場合には、社会保険に加入することが出来ます。

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○デメリット

・福利厚生や退職金等はない
→パートの場合は、基本的に福利厚生を受けられたり、退職金を受け取る事は出来ません。収入は、あくまで毎月の給料だけです。

・大幅なスキルアップは難しい
→一日数時間の勤務で、毎回同じような業務内容といった働き方が多く、また、就職先の教育制度を利用することも出来ないので、担当業務以外のスキルを身に付ける事は難しくなります。

・雇用や収入が安定しない
→正社員と比べると、パートは雇用に関して何の保証もありません。
もし、自己都合によって働く時間が減った場合には、、それはそのまま給料に反映されることになります。
また、パートの経験しかない人は、正社員に転職するのは難しくなるので、若く、これから薬剤師としてのキャリアを積んでいきたいという人は注意が必要です。

・責任のある仕事を任せてもらえない・やりがいを感じられない(人による)
→パートでも、1日8時間(週40時間)働くような人は、正社員と同じような業務内容になることもありますが、1日数時間の短時間勤務の場合には、調剤業務だけ等、薬剤師が行う業務の一部しか任せてもらえないことも多いです。
ただ、子育て中のパート社員の場合、子供の病気や学校の行事等によって、欠勤や早退が多くなる傾向がある為、重要な仕事を任せたくても任せられないといった企業側の事情もあるようです。
但し、単純作業を短時間行うことで、気楽に、効率よくお金を稼ぎたいという人もいるでしょうし、常勤の薬剤師をサポートするという重要な役割を担っていると考える人もいますので、やりがいを感じられるかどうかは人によると思います。

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派遣社員として働く


派遣とは、人材派遣会社(派遣元企業)と雇用契約を結び、人材派遣会社と契約をし
ている派遣先企業で契約期間働く雇用形態のことです。
人材派遣会社(派遣元企業)と雇用契約を結ぶので、給料は人材派遣会社から支払われ
ますし、福利厚生等のサービスも人材派遣会社の制度が適用されます。
よって、人材派遣会社によって、時給や契約条件、福利厚生のサービス内容が違うので、
人材派遣会社を選ぶ際には注意が必要です。
給料は、経験にもよりますが、時給は、約2,400~3,000円が相場となっています。

○メリット
 
・働く期間や勤務時間、勤務地を選ぶことが出来る
→派遣の場合には、単発や短期で働いたり、長期で働くことを、自分の都合に合わせて選択することが出来ます。
人によっては、半年から1年間目一杯働いて、1ヶ月間は旅行するといったように、自分のプライベートを充実させる働き方をする人もいるようです。

・色んな職場で働くことで多くの経験が積める
→正社員やパートの場合は、同じ所で働くのが一般的ですが、派遣の場合には、契約の度に色んな職場で働くことが出来ます。
こういった経験を積むことで、1社で働くだけでは得られない知識やスキルを身に付けることが出来るようになります。

・パートに比べて時給が高い
一般的に、パートよりも時給が高い傾向があります。
これは、企業側が、業務の繁閑や経営状況の変化に応じて柔軟に薬剤師を雇用出来るというメリットがあるからです。

・基本的に残業がない
→勤務先の企業や契約条件にもよりますが、やるべき業務を時間内にしっかりと行っていれば、残業を強いられることはほとんどありません。
   
・充実した福利厚生や教育制度を受けられる
→派遣社員の場合、人材派遣会社の福利厚生のサービスを利用出来ますし、業務上必要となる知識を身に付けたり、スキルアップを図るための教育制度を受けることも出来ます。
また、雇用保険や社会保険、薬剤師賠償責任保険等も人材派遣会社が用意してくれるので、雇用が不安定なパートと比べるとメリットは大きいといえるでしょう。

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○デメリット

・契約を更新されないことがある
→派遣契約は、期間を定めた契約であり、その契約期間中に契約が切られてしまうことはほとんどありませんが、一度契約期間が終了した後は、その契約が引き続き更新されるとは限りません。
更新されなかった場合には、そこで身につけたスキルは一過性のものになってしまいます。
いくら自分がそこで働きたいと思ったとしても、一つの企業でずっと働き続けることは派遣社員には出来ないのです。

・契約期間中は勝手に辞める事は出来ない
→人材派遣は、人材派遣会社と派遣先企業との間で交わされる契約なので、よほどのことがない限り、契約の途中でその仕事を辞める事は出来ません。
しっかりと役割を全うする責任感が必要になります。

・相応のスキルが必要
→派遣先となる企業が、高いお金を支払ってまで人材派遣をお願いする理由は、業務上どうしても穴埋めが必要な場合になりますので、それなりの知識やスキルや経験を持った即戦力が必要とされるのは当然です。
充分な知識やスキルや経験を持っていない薬剤師を、一人前になるまで育てる責任は派遣先企業にはありません。
   
・雇用や収入が安定しない
→これは、パートの場合と理由が少し異なります。
まず、派遣社員の場合、常勤と同じ時間働いても賞与はありません。
また、一つの派遣契約が終了したからといって、すぐ次の派遣先企業が見つかるとは限りません。
定期的に派遣先となる企業があるかどうかは、派遣社員の要望や条件に大きく左右されることになります。

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紹介予定派遣で働く


紹介予定派遣とは、一定期間(最長6ヶ月)派遣社員として働いた後、派遣先企業と派遣社員が合意すれば、正社員やパートや契約社員として直接雇用される仕組みです。

紹介予定派遣は、派遣社員にとっては、業務内容や繁忙度合い、職場内の雰囲気や人間関係等、今後、その職場で働き続けられるかどうかを働きながら見極められる為、実際に転職してからのミスマッチが起こり難いというメリットがあります。

また、派遣先企業にとっても、派遣社員として働いてもらっている間に、通常の面接だけでは知ることが出来ないような、その人の業務スキルや能力、勤務態度や人柄等を事前に知ることが出来るというメリットがあります。

但し、紹介予定派遣は、一般的な派遣と比べると案件数が少ないので、紹介予定派遣を利用したい人は、しっかりと情報収集を行ってください。

 注)病院への派遣は、紹介予定派遣に限り認められています。
 注)薬局への管理薬剤師の派遣は認められていません。

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契約社員として働く


契約社員とは、働く人と勤務先企業とが、半年や1年間等の契約期間(最長3年間)を決めて、直接雇用契約を結ぶ形態のことです。

一般的に、人材派遣よりも長めの契約期間となることが多いようです。
給料は、時給制・月給制・年俸制等、企業によって違うので確認することが重要です。

賞与や有給制度が完備されている場合もありますが、一般的な派遣社員より給料は低めの傾向があるようです。

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薬剤師にとって忘れてはならないこと


コラムの最後に一つだけ大事なことをお伝えしておきます。

このコラムを読んでいる貴方がどのような働き方を選択されるのかは分かりませんが、 お薬を提供される患者にとってみれば、目の前の薬剤師が、正社員なのか、パートなのか、派遣なのか、契約社員なのかといったことは全く関係ありません。

薬剤師である貴方に求められる責任は、働き方が違っても変わらないということは忘れないようにしてください。

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※このコラムを読んだだけでは、自分に合った働き方がよく分からず不安が残るという人は、コラム「薬剤師として転職活動を行う前に知っておくべき3つのこと」を参考にしてみてください。

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