年収アップ , 転職のポイント - 薬剤師求人キャリアコラム -
薬剤師の為の正しい年収アップ術
貴方は現状に満足していますか?
先日、ある薬剤師の方から相談を受けました。
その内容は、「大学時代の同期よりも、給料が2割近くも低いみたいなんです。今の職場はとても居心地が良いのですが、同僚の話を聞いて、収入を増やしたいという思いが大きくなってしまいました。どうすればいいですか?」というものです。
私の元には、他にも収入についての悩みを抱えている多くの薬剤師の方が相談に訪れます。
「同じような仕事内容なのに、就職先によって収入が大きく違うのに納得がいかない」
「収入を増やすことを目的として転職したが、思ったほど増えなかった」
「収入は増やしたいけど、具体的に、どうすればいいのかがよく分からない」
このように、多くの薬剤師が年収に対して不満を抱いているものの、その不満を解消する方法が分かっていないようです。
そして、このコラムを読んで頂いているということは、貴方も、自分の収入に不満を抱えている一人なのではないでしょうか?
相場を知る
実は、意外と多くの薬剤師が、自分が働いている業種では、どのくらいの収入が相場なのかということを理解していないようです。
・一般薬剤師(正社員)
→平均年収 約350~650万円
・管理薬剤師(正社員)
→平均年収 約500~800万円
・パート薬剤師
→平均時給 約1500~2500円
また、業種別の相場は以下のようになります。
・病院薬剤師
→平均年収 約400~650万円
・調剤薬局
→平均年収 約400~700万円
・ドラッグストア
→平均年収 約400~800万円以上(店長クラス)
・製薬企業
→平均年収 約400~1000万円以上(営業歩合による)
※相場は、「年齢」「経験」「スキル」「地域」「需給状況」といった要素によって決まります。
基本給以外の所得
働く職場によって違いますが、薬剤師が得ることの出来る所得には、基本給以外にも以下のようなものがあります。
・薬剤師手当
→資格手当とも言い、ほとんどの薬剤師が貰えます
・職能手当
→薬剤師の間で給料に差を付けたい場合に用いられることが多いです
・役職手当
→管理薬剤師等、役職が付くと貰えます。金額は会社によって違いますが、月1~10万円が相場のようです
・通勤手当
→交通費のことです。
・地域手当
→過疎地等、薬剤師が不足しているような地域に勤務する場合に貰えます。会社や地域によって違いますが、月1~10万円が相場のようです
・寒冷地手当
→北海道や東北の一部地域で、冬の間だけ支給されている手当のことです。月5千円~3万円が相場のようです
・時間外手当
→残業手当のことです。1日あたり8時間(週40時間)を超える場合に支払われます。会社によって支払い単価が違うので、注意が必要です
・住宅手当
→居住地、持ち家か賃貸かによって金額は変わります
・家族手当
→配偶者や子供がいる場合に支払われます
※これら諸手当が支払われるかどうかは会社によって違います。必ず確認してください。
・賞与
→ボーナスのことです。年収に差が付く最も大きな要因の一つです。会社によって支給基準が違うので、注意が必要です。一般的には、基本給×係数(2,5ヶ月分等)となるので、基本給が低い場合には、必然的に賞与額も少なくなります
このように、薬剤師の収入は、単に毎月の給料だけで決まる訳ではありません。
諸手当の有無、残業や休日出勤の有無、ボーナスの支給基準によって大きく変わるのです。
昇給額と昇給率を重視する
上記のように、薬剤師の収入は、基本給だけでなくその他の要素によって大きく変わります
が、中でも注意が必要なのが、昇給額と昇給率です。
何故ならば、どれだけ入社時の給料が高く設定されていたとしても、その後、どれだけ昇
給するかによって、生涯で得られる収入に大きな違いが発生するからです。
薬剤師の確保に苦労している企業の中には、わざと初任給を高く設定しておいて、その後
はほとんど昇給しないようにすることで、結果的に帳尻を合わせようとしているところが
たくさんあります。
つまり、単年度の収入だけを比較することに、大きな意味はないということです。
このことは、しっかりと理解して忘れないようにしてください。
収入を増やす方法は2つ
基本的に、薬剤師が収入を増やす方法は、同じ職場で働き続けながらキャリアアップしていく方法か、収入アップが望める職場に転職するかの2つしかありません。
・同じ職場で働き続けながらキャリアアップする
同じ職場で働きながら経験や実績を積み重ねたり、様々なスキルを取得したりすることで、上司や経営者に認められ、役職を与えられるようになれば、それに伴って収入も引き上げられていくようになります。
例えば、大手の調剤薬局チェーンで働く場合には、一般薬剤師→管理薬剤師→エリアマネージャー→支部長・・・ということです。
また、認定薬剤師の資格を取得すると、手当を支給してくれる企業もあるようです。
他にも、自分で収入アップの交渉をするといった方法もあります。
自分で交渉する場合には、自分がそれまでにどのような能力を身に付けたのか、どれだけ会社に貢献したのかといったことを、数字を元にした証拠と共に交渉することが必要となります。
・収入アップが望める職場に転職する
今よりも収入アップが望めるような転職先を見つけ出し、そこに転職する方法です。
実際に、こういった方法を繰り返すことで、収入を増やし続けている薬剤師は数多く存在しているようです。
一般的には、薬剤師が不足しているような過疎地に行くほど収入は高くなり、薬剤師の採用にそれほど苦労していないような都心に近いほど収入は低くなるようです。
(※その理由は、処方箋40枚につき薬剤師を1名配置する義務があるので、薬剤師1人あたりの売上げの上限が決まることになり、家賃や土地代が高い都心ほど、薬剤師に高い給料を支払う余裕がなくなるからです)
因みに、過疎地に転職して収入アップを図る方法は、大手チェーンの調剤薬局ではほとんど使うことが出来ません。
理由は、大手チェーンの場合、転職することが当り前といった職場環境だからです。
また、転職で収入アップを図る方法には、更に有効な方法があります。
それは、転職先に対して、直接収入アップの交渉をするという方法です。
やり方としては、上記の同じ職場に交渉する方法と同じですが、実際には、自分で交
渉することが難しい場合も多いと思われるので、その際には、キャリアコンサルタン
トを使うことがお勧めです。
自分では直接言い辛いようなことであっても、別の人を介することで伝え易くなりま
す。遠慮せず、しっかりと自分の要望を伝えるようにしましょう。
著しく給料が高い案件は要注意
転職先を探す場合、他の案件と比べて著しく高い給料を設定している企業がありますが、そんな案件には注意することが必要です。
・月給制なのか年俸制なのか?
→月給制のように見せかけておいて、実は年俸制ということはよくあります。このような企業は残業が非常に多く、しかも、年俸制なので残業代込みということも少なくないようです。
・仕事内容はどうなっているのか?
→実際に就職したら、薬剤師は自分一人だけ。毎日激務に追われ、まともに休みを取ることが出来ないといった場合も多くあります。また、明らかに薬剤師の範疇を超える業務を強要されることも考えられます。
・昇給額や昇給率はどうなっているのか?
→上記で述べたように、入社時の給料を高く設定しておいて、その後はほとんと昇給しないといった場合もあります。
・異常に離職率が高くないか?
→給料は高くても、人間関係等に多くの問題を抱えていて、異常に離職率が高い職場ということもよくあります。
・ブラック企業ではないか?
→法令や法律を平気で無視するようなブラック企業の可能性があるかもしれません。
収入を増やすより大事なこと
ここまで収入を増やす方法について述べてきましたが、このコラムを読んで下さっている
貴方に一つ質問があります。
それは、「収入を増やすことも大事ですが、もっと大事なことはありませんか?」ということです。
収入を増やすことは確かに大事です。
収入が増えれば、貴方の生活が大きく変わる可能性だってあるでしょう。
しかし、闇雲に収入を増やすことに執着するのではなく、もっと他に大事にすべきことが
ないか、収入と引き換えに失うものがないか、一度よく考えてみて下さい。
それでも「収入を増やしたい」という結論に至ったというのならば、是非、このコラムの内容を参考にして収入を増やして頂ければと思います。
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