管理薬剤師になるのは得?それとも損?

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管理薬剤師になるのは得?それとも損?

管理薬剤師という選択肢

いきなりですが、貴方に質問があります。
貴方は、管理薬剤師についてどのように考えていますか?

「早くなりたい」
「やりがいがありそう」
「薬剤師ならば、一度は経験しておくべき」

それとも

「仕事が大変そう」
「責任が大きくなるので、あまりやりたくない」
「管理薬剤師の仕事内容自体がよく分からない」

このように考えていますか?

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調剤薬局やドラッグストアで働く一般の薬剤師ならば、一度は、「管理薬剤師になるべきかどうか」「管理薬剤師になるのは得なのか損なのか」について考えたことがあるという人も多いと思います。

今回のコラムは、管理薬剤師について掘り下げていきます。

管理薬剤師になりたい人、なりたくない人、どうするべきか迷っている人、管理薬剤師になることに不安を抱えている人・・・等、様々な考えを持った人がいると思いますが、これから薬剤師としてのキャリアを考えていく上で、管理薬剤師をどのように捉えていくべきかについてお伝えしていきますので、興味のある方は是非参考にしてください。

管理薬剤師の仕事と収入

管理薬剤師の仕事というのは、その名の通り、薬剤師としての業務を適切に遂行する為に、人(一般薬剤師等)や物(医薬品、設備)や情報(医薬品、患者等)を管理することであり、主な内容は以下の3つになります。

○管理業務
→薬局で働く従業員や、店舗で処方・保管している医薬品の管理業務全般

○医薬品が適正に使用される為の情報提供業務
→店舗で処方・販売する医薬品を、患者に適切に使用してもらう為に必要となる、あらゆる情報提供業務全般

○その他業務(副作用情報の収集・報告)
→副作用に関する情報を収集したり、それらを担当の医師や厚労省に報告する業務

このように、管理薬剤師の仕事は、薬剤師として調剤や接客よりも(職場によって違いはありますが、実務がないという訳ではありません)、従業員や医薬品の管理を行う為のデスクワークが中心になります。

※管理薬剤師の責務や仕事内容の詳細について知りたい方は、厚生労働省のホームページを参照してください。→http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0721-6d.html


また、管理薬剤師の仕事内容は非常に多岐に渡り、その責任も大きくなることから、30~50万程度の手当が付くようになります。
年収は、企業の規模や職場の規定によって異なりますが、平均的な相場は500~800万円と言われています。

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管理薬剤師になることのメリットとデメリット

■メリット

・収入が増える
上記のように、収入が増えるのはやはり大きなメリットになります。

・やりがいがある
仕事は大変なことも多いですが、大きな責任感を持って仕事が出来るということは、やりがいを感じられるということでもあります。

・様々なスキルが身に付く
管理薬剤師になると、必然的にやるべきことや学ぶべきことが増え、一般薬剤師では身に付けられないような以下のスキルを仕事をしながら行いながら身に付けられるようになります。
-関係法規に対する知識
-医薬品に関する知識
-保険請求業務等の事務処理
-人材マネジメント能力
-リーダーシップ
-コミュニケーション能力
-商品や設備の管理能力・・etc

・転職時に有利になる
転職を検討する場合、職務経歴書に管理薬剤師としての経験が記載されていれば、薬剤師としての実務能力だけでなく、人間性の評価もプラスに作用するようになります。

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■デメリット

・残業が増える
管理薬剤師の仕事は、従業員や医薬品の管理が主になってくるので、営業時間外の業務が増える事は覚悟する必要があります。

・ストレスが増える
薬剤師が働く職場は、一般的に、人間関係の問題が多いと言われていますので、そういった問題を処理する気苦労やストレスは増えるかもしれません。
また、管理薬剤師は、経営者と従業員との間の中間管理職的な立場になるので、時には、両者の間で板ばさみになってしまうこともあり得ます。

・トラブルやクレーム処理
職場内でのトラブルや、患者さんからのクレーム発生時には、職場の管理者である管理薬剤師が責任を負うことになります。
(トラブルの解決やクレーム処理というのは大変な仕事ではありますが、その分、仕事の能力や人間的な評価を大きく高められるようになるでしょう)

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管理薬剤師になるべきなのか?

ここまでの説明で、管理薬剤師の仕事内容や、管理薬剤師になることのメリット・デメリットについてはご理解頂けたかと思いますが、中には、「結局、管理薬剤師にはなった方が良いの?それとも良くないの?」という方もいると思います。

その質問に対する回答ですが、薬剤師としてこれからも働き続けるならば、「管理薬剤師にはなるべき」というのが私の答えです。

その理由は、以下の2つになります。

○管理薬剤師には、デメリット以上の大きなメリットがある

上記を読んでもらえば分るように、管理薬剤師には大きなメリットがあります。
確かに、それなりのデメリットもありますが、それらのデメリットには、経験して克服することで様々なスキルが身に付くだけでなく、人間的にも大きく成長させる要素が多分に含まれています。


○今後、キャリアアップが更に重要になる

現在、薬剤師として働いている人の中には、「管理薬剤師にはなりたくない」「大きな責任
を負う立場にはなりたくない」「残業はしたくない」という人もいるかもしれません。

しかし、パートや派遣の短時間勤務であったり、将来は結婚してリタイアするという人は
それでも良いかもしれませんが、これからも正社員の薬剤師として働き続けるという薬剤
師の場合には、そういった考えは、近い将来、通用しなくなる可能性があります。

薬剤師業界の現状は、「薬剤師不足」「売り手市場」と言われていますが、今後は、超高齢化社会に伴う社会保障費を抑える為の制度改革や法改正、病院や調剤薬局やドラッグストア同士の競争の激化による統廃合、薬学部の新設による薬剤師の増加、医薬品のネット販売解禁等のビジネスモデルの変化への対応・・・等、薬剤師を取り巻く環境は益々厳しくなっていくことが予想されています。

このように、周囲の環境が大きく変化しようとしていく時には、それに合わせて自分も変化し続けていかなければ、生き残る事は非常に難しくなります。

つまり、これからも薬剤師として生き残っていく為には、同じ業務をやり続けるだけではなく、多種多様な知識やスキルの習得であったり、一般的な薬剤師としての業務以外の能力を高めていく必要があるということです。

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補足:管理薬剤師以外の選択肢

管理薬剤師になることの魅力や必要性であったり、自分の能力を高めたり人間的な価値を上げることの重要性は理解できたけど・・・

薬剤師の方の中には、「自分が薬剤師になったのは、管理者になる為ではない」「出世よりも、もっと患者さんと向き合う仕事がしたい」という人もいると思います。

そういった志を持った方には、特定分野のプロを目指しては如何でしょうか?

「薬剤師としてもっとレベルの高い仕事がしたい」
「もっと患者さんと関わる仕事がしたい」
「人の生命に携わる実感と充実感が得られるような仕事がしたい」

そう考える薬剤師には、認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得し、その分野のプロフェッショナルとして医療現場の第一線で働くことをお勧めします。

越えるべきハードルは高くはなりますが、それ以上のやりがいを手に入れられますし、チャレンジするだけの価値は充分にあります。


このように、今後は、薬剤師にとって厳しい時代が予想されていますが、生き残っていく為に薬剤師が取ることが出来る選択肢はいくつも用意されています。

管理薬剤師は、数多くある選択肢の中の一つに過ぎません。
自分の将来をしっかりと考えて、最善の方法を選んでください。


※キャリアアップの必要性を更に理解したい人は、以下のコラムを参照してください
 コラム「薬剤師のキャリア形成を考える必要性が高まっている理由とは?

この記事のコメント

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