薬剤師向け紹介会社の実態を知らずに利用してはいけません(前篇)

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薬剤師向け紹介会社の実態を知らずに利用してはいけません(前篇)

紹介会社の実態を知らずに転職すると・・・

現在、転職を考えている薬剤師の多くが、転職支援会社を利用しています。

一昔前であれば、求人案件等の情報収集、応募手続き、必要書類の作成、面接日時の設定、労働契約条件の交渉、現在の職場の退職手続き・・・等、多くの時間や労力を掛けて行ってきたことを転職支援会社が無料で代行したりサポートしてくれるのですから、日々の業務に追われ、日夜スキルの習得に励む多くの薬剤師にとってみれば、魅力的なサービスであることは間違いなく、サービスを利用する薬剤師が多いのも必然と言えるでしょう。

ご存知のように、薬剤師は非常に転職が多い職業と言われており、今後も、転職支援会社を利用して転職活動を行う薬剤師は増え続けることが予想されます。

しかし、その一方で、
「多くの転職支援会社があり、本当はどこが良い会社なのかが分らない」
「どの転職支援会社も同じようなことばかりをアピールしているので、何を基準にして選ぶべきなのか分らない」
「多くの転職支援会社の中から、自分に合った会社を選ぶ方法を知りたい」
といった声も数多く聞かれます。

また、過去に転職支援会社を利用したという人の中には、
「転職支援会社を使って、良い職場に転職することができた」という人も数多くいますが、

「転職支援会社を使って転職したが失敗した。使わなければよかった」
「担当のキャリアコンサルタントがまったく役に立たなかった」
「キャリアコンサルタントが事前に言っていた内容と、実際の職場の内容が違った」
「転職はサポートしてくれたが、トラブルにはまったく対応してくれなかった」

といった正反対の声も多いようです。


今回のコラムは、転職支援会社の実態について述べていきたいと思います。

自身の転職活動に転職支援会社の利用を検討している薬剤師の方、転職支援会社の選び方が分らないという薬剤師の方、現在利用中の転職支援会社や担当のキャリアコンサルタントの対応に満足していないという薬剤師の方には参考になると思います。

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転職に失敗する薬剤師は増えている!?それとも減っている!?

自分が希望する条件を満たす職場を見つけ出し、その職場の内部情報も教えてもらい、しっかりと条件交渉も行ってくれた上で新しい職場に転職できる。
これだけ転職する側にとって有益なサービスを無料で受けられる薬剤師という職業は、他の職業に比べてかなり恵まれているといえるでしょう。

長年、薬剤師の転職業界に携わってきた私から見ても、サービスを提供する転職支援会社側、良い転職を実現したいと思っている薬剤師側、両者共に十分な価値が得られるビジネスモデルだと思います。

ただ、ここで一つ大きな疑問が浮かびます。

それは、「何故、転職する薬剤師は一向に減らないのか?」という疑問です。

確かに、今は薬剤師にとって売り手市場と言われていることもあり、自身のキャリアや給与等の条件をアップさせることを目的に転職する人も多いと思います。

しかし、調査会社のデータによると、薬剤師全体の内82%が転職経験があり、2回以上の転職経験を持つ薬剤師も59%もいるのです。
これは、他の職業と比較しても、かなり多い数字だと言わざるを得ません。

私は、この薬剤師の転職が多い理由には、転職支援会社が原因となっている部分もあるのではないか、と考えています。

多くの薬剤師が転職支援会社を使って、希望の条件を満たす職場であること、職場内の人間関係や環境に問題がないこと、転職後に行う業務内容等を事前に確認し、しっかりと条件交渉も行った上で転職したにも関わらず、「自分が思っていたような職場ではなかった」と、また転職活動を行うようになってしまいます。

実際、私の元に相談に訪れる薬剤師には、過去に転職支援会社を利用して転職したという人も多いですが、その中でも結構な割合の人が、

「転職前に聞いていた条件と、転職後の条件が違った」
「働き易いと聞いていたのに、実際の人間関係は最悪だった」
「契約時に聞いてなかった仕事を強要されるようになった」
「法律や労基無視のブラック企業だった」

といったことを理由に、再度、転職活動を行うようになっているのです。

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転職支援会社を利用した転職に失敗する原因

転職支援会社を利用して理想の職場に転職したはずなのに、また転職することになってしまう・・・、その原因は、転職支援会社側と薬剤師側の両方にあります。

そして、その両方の原因を理解できれば、その対策も立てられるようになります。

次に転職支援会社を利用する時、転職支援会社を選ぶ時に参考にできる内容になっていますので、しっかりと理解してください。


○転職支援会社側の原因

・求職者(薬剤師)よりも自社の利益を優先させる
転職支援会社が提供しているサービスは、求職者の転職が成功して初めて紹介先の企業から手数料(利益)が得られるビジネスモデルです。
いくら手間や時間を掛けたとしても、その転職が成功しなければ1円にもなりません。
中には、手数料が高い企業を優先して紹介してきたり、条件に合わない企業でも強引に推し進めてきたり、無理に契約を急がせようとする転職支援会社もあります。

・キャリアコンサルタントの質にバラつきがある
転職支援会社に登録すると、担当のキャリアコンサルタント(会社によって、コーディネーターやアドバイザー等違いがあります)が付くことになりますが、このキャリアコンサルタントの質によって転職が成功するかどうかは大きく左右されます
優秀なキャリアコンサルタントもいますが、中には、ほとんど知識や経験を持っていない新人コンサルタントや、その能力に問題があるようなダメコンサルタントもいます。
そういった状況にも関わらず、求職者側がキャリアコンサルタントを選ぶ事はできず、どのキャリアコンサルタントが担当になるかは、ほとんど運次第になっています。

・一人のキャリアコンサルタントが受け持つ求職者の数が多い
多くの求職者が集まる大手に多いのですが、求職者の数に見合うだけのキャリアコンサルタントが用意できていない(用意しない)転職支援会社もあります。
一人のキャリアコンサルタントが受け持つ求職者が多くなると、それぞれの求職者に対して十分なサービスを提供できなくなります。
中には、求職者に会うことなく、電話やメールですべてを完結させようとする転職支援会社も存在しているようです。(これには良い面と悪い面があるのですが。)

・トラブルに対応しない
サービスを利用して転職した後にトラブルが発生することがあるのは先述した通りですが、そういったトラブルにまったく対応しなかったり、対応したとしても不誠実な対応しかしないような転職支援会社もあります。
中には、転職が成功した途端、担当のキャリアコンサルタントとまったく連絡が取れなくなり、転職支援会社側も何も対応してくれないというケースもあるようです。

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○薬剤師側の原因

・転職支援会社の違いが分かっていない
ほとんどの薬剤師は、会社の知名度や実績、求人案件の数、ネット上のランキングサイト情報等を基準に転職支援会社を選ぶことが多いようですが、転職支援会社にもそれぞれ特徴や得意分野、メリットやデメリットがあります
特定の地域に強い会社、特定の業態に強い会社、キャリアコンサルタントの質に定評がある会社、実績の数よりも満足度を重視している会社・・・etc、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、しっかりと情報収集を行い、自分の状況や条件に合った転職支援会社を選ぶことが重要です。

・大手企業や知名度がある会社だと安心してしまう
大手の転職支援会社サイトや、その会社を紹介するサイトにもよく書かれていることなのですが、今の時代、「大手だから安心」ということはありません。
どんなに大きな会社でも潰れる時は潰れますし、悪い事をする会社もたくさんあります。
「大手だから安心」とアピールしている会社は、同業他社と差別化できず、それしかアピールするところがないと受け取ることもできるのです。
転職支援サービスを利用した転職活動の成否は、どの転職支援会社利用するかではなく、どのようなキャリアコンサルタントが担当になるかに大きく左右されるということを忘れないでください

・ネット上の情報をすぐに鵜呑みにしてしまう
転職支援会社サイトや、それらを比較したり紹介するサイトに掲載されている内容、ネット上の声や口コミ等の情報を何でも鵜呑みにしてしまう人が多いように思います。
それらの内容がデタラメだったり、嘘の情報を提供してるとは言いませんが、表現の仕方や統計の取り方はいくらでも都合良く変えられるものです。
都合の悪い事は隠して良い事だけ伝えている、くらいに思っていた方が良いと思います。
自分で納得がいくまで情報を集める、信頼できる情報源を見つけることが重要です

・人任せにし過ぎる
転職支援会社が提供しているサービスを利用するメリットは、本来、求職者がやるべきことを代行してくれたりサポートしてくれることですが、だからといって、何でも人任せにしてしまうことには問題があります。
先述したように、転職支援会社や担当のキャリアコンサルタントによっては、求職者よりも会社や担当者個人の利益を重視している場合も多いのです。
転職に失敗したくなければ、多少相手を疑ってかかるくらいでなければいけません
「何でも人任せにした結果、転職に失敗する」その責任の一端は求職者にもあるのです

・求職者側の対応
上記の「人任せにし過ぎる」と逆の話になりますが、求職者の担当キャリアコンサルタントに対する対応に問題があるという場合も多いようです。
よくあるのは、「どうせ無料だから・・」「同じような会社はいくつもあるから・・」といった気持ちで、担当のキャリアコンサルタントに対応することです。
担当キャリアコンサルタントも人間です。
真剣に求職者のことを考えた誠実な対応を心掛けていたとしても、求職者側から不誠実な対応を受けたりすると、それ相応の対応しかしてくれなくなるものです。
そんな関係は、お互いにとって何一つメリットはありません。
良い担当者に恵まれたと思ったら、自分から積極的に信頼関係を築くようにしましょう。そうすれば、相手もきちんと応えてくれるはずです。

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