調剤中に転職がチラついたら、転職先の探し方を先に考えるべき

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調剤中に転職がチラついたら、転職先の探し方を先に考えるべき

転職先探しの方法は?

今回のコラムは、転職を考えているすべての薬剤師が直面する課題、『転職先の探し方』について説明していきます。

このコラムを読んで頂いている薬剤師の中には、「そんなの、インターネットを使って探せばすぐに見つかるよ」という人もいるかもしれませんが、そういった薬剤師の多くは、転職先の探し方の重要性をあまり理解していないように思います。

どのような方法で転職先を探すのか、どのような方法を使って転職活動を行うのかは、どのような職場に転職するのかに直結する非常に重要なポイントです。

その重要性を理解せず、安易な考えで転職活動の方法を選択してしまうと、転職した後になって「こんなはずじゃなかった・・」ということになりかねません。
そうなってしまえば、また新たな転職先を求めて転職活動を始めからやり直すことになってしまいます。

そういった状況に陥らない為には、転職先の探し方にはどのような方法があるのか、それぞれの方法のメリットやデメリットは何か、どの方法を使って転職活動を行うべきなのか、その際にはどのようなことに注意するべきなのか、といったことをしっかりと理解することが必要なのです。

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薬剤師が転職先を探す方法

○ハローワーク

〔メリット〕
・全国各地にある公共機関という安心感がある

・無料で利用できる

〔デメリット〕
・求人数の豊富さや、地元情報に強いといったイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際には、薬剤師の求人はほとんどありません
ハローワークで薬剤師の求人情報が見つかるかどうかは、地域とタイミングにもよりますが、ほとんど運次第といっても過言ではない状況です

・ハローワークは、求人情報を掲載する側も無料で利用できるので、「とりあえず掲載しておこう」といった考えの企業が多く、良い条件の案件はほとんどありません

・仮に、薬剤師の求人案件が見つかったしても、基本的に、募集時の条件に納得して応募してきたという前提なので、給与等の条件交渉は難しくなります
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○新聞の求人欄、就職情報誌、薬学系専門誌等

〔メリット〕
・薬学系専門誌で募集されている案件の場合、給与や勤務体系といった一般的な条件だけでなく、募集している企業情報が詳しく掲載されていることもあります

〔デメリット〕
・何れも案件の数が少なく、地域やタイミングに大きく左右されます
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○自分の友人や知人等の人脈

〔メリット〕
・学生時代の同期や友人、今の職場の医薬品卸の担当者、勉強会やセミナーで知り合った人、SNSを通じて知り合った人等、多くの人脈から情報を得られる可能性がある

・一般的な求人案件にはない、掘り出し物が見つかる可能性がある

・一般的な条件だけでなく、職場の雰囲気や人間関係、経営状況や今後の動向、実際の昇給や賞与の実情等の内部情報を知ることができる

・普通に面接を経るよりも、ある程度信用されていることが前提なので、採用されやすい

〔デメリット〕
・友人や知人の紹介だと、給与や勤務体系等の条件交渉が行い難かったり、契約条件が曖昧なままで転職してしまうこともある。
(これは後にトラブルを生む大きな要因となります)

・一般の就職とは違う形式で採用されると、それを理由に無理なお願いをされやすくなることがある

・一番問題が発生しやすいのが辞める時。
「実際に働き出したらイメージが変わった」「事前の話と違う」「もっと良い職場から誘われた」といっても、辞めるのはそう簡単ではありません。
友人や知人の面目を潰してしまう恐れもありますし、だからといって、我慢して働き続けても自分が辛くなるばかりということになってしまいます
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○薬剤師専門の転職支援サービス(紹介会社)

〔メリット〕
日本全国規模の豊富な求人案件がある(会社による)

・ほとんどの転職支援会社は、無料でサービスを提供している

・自分で求人案件を探したり、応募の手続き、面接の日時設定等に抱える労力や時間を減らすことができる

・非公開情報という、ハローワークや就職情報誌には掲載されない好条件の案件がある

・大手企業や上場企業が経営している場合、安心感がある

・求職者ごとに担当のキャリアコンサルタントやコーディネーターがつくので、転職に関する情報の提供やアドバイス、サポートを受けることができる

・良いキャリアコンサルタントやコーディネーターに当たれば、求職者が納得できる転職先が決まるまで、親身になって対応してくれる

〔デメリット〕
・どの転職支援会社も自社の良いところばかりを打ち出しているので、実際にどの転職支援会社が良いのかが分り難い

・大手が経営している転職支援会社に多くの求職者が集中する傾向があるが、中には、求職者の数に対してキャリアコンサルタントやコーディネーターの数や教育が追いつかず、それぞれの求職者に対して十分なサービスを提供できていない(行わない)といった転職支援会社もある

・転職支援会社の「転職の成功=手数料(利益)」という収益構造は、多くのトラブルを生む原因となっている
 →求職者の都合よりも、自社の収益を優先させる
 →求職者があまり納得していないような案件でも、強引に推し進めてくる
 →求職者の都合を考慮せず、頻繁に連絡してくる
 →トラブルが発生しても、まったく対応してくれない

・優秀なキャリアコンサルタントやコーディネーターもいるが、中には、とても優秀とは言えないようなキャリアコンサルタントやコーディネーター、知識や経験をほとんど身につけていない新人キャリアコンサルタントやコーディネーターがいたりと、サービスの質に大きな差があることも少なくない

・転職が成功した途端に連絡が取れなくなったり、転職先とトラブルが発生した場合に、まったくサポートしようとしない転職支援会社、キャリアコンサルタントやコーディネーターがいる

・キャリアコンサルタントやコーディネーターを自分で選ぶことができない。また、担当のキャリアコンサルタント等の変更に応じない転職支援会社もある
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※薬剤師専門の人材派遣会社

正社員を前提として転職先を探す場合には使えませんが、転職先が決まる前に退職してしまったり、とりあえず派遣薬剤師として働いてスキルを磨きながら次の正社員の転職先を探すという場合には、人材派遣会社を利用するのは有効です。

〔メリット〕
・求人案件が豊富にある

・パートと比較して、時給が高い傾向がある

・派遣会社が用意している研修や教育サービスを利用できる(派遣会社による)

〔デメリット〕
・正社員になることはできない

・短期契約(3ヶ月、半年、1年)が多く不安定

・一般的に、昇給や賞与はない

※紹介予定派遣サービスを利用すれば、転職先候補となる職場で働きながら、職場内の雰囲気や人間関係、詳しい業務内容といったことを知ることができるので、転職に失敗する可能性を大きく下げることができます。
但し、案件数はあまり多くありませんので、そこは注意が必要です。

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まとめと補足

ここまで、転職先を探す方法と、それぞれのメリットとデメリット、注意点等を説明してきましたが、ご理解頂けましたでしょうか。

このコラムを読んで頂いている貴方もご存知のように、薬剤師は、数ある職業の中でも非常に転職が多い職業だと言われています。

その理由は、薬剤師を取り巻く環境や、それぞれの薬剤師の個別の事情や状況によって違いますが、長年、薬剤師の転職に携わってきた私が個人的に思うのは、あまりにも安易な気持ちや方法で転職活動を行う薬剤師が多いということです。

その結果、満足できるような職場に転職できずに、転職を繰り返すことになってしまう薬剤師が増えているということは、コラムの冒頭でも述べた通りです。

転職すると決めた人の多くは、やむを得ない事情で転職しなければならなくなった人か、「一生働けるようなやりがいのある職場や、今よりも良い環境や条件を求めて転職する」という人だと思います。

そういった気持ちで転職するのならば、

「みんながやっているから」
「ネットに書いてあったから」
「友人や知人に紹介されたから」
「キャリアコンサルタントに勧められたから」
・・・etc
といった安易な気持ちで転職方法や転職先を決めてはいけません。

自分自身の現状を理解した上で、どのような方法を取るのが自分にとって最適なのかをしっかりと見極めるようにしてください。

その為の手間や労力を惜しむと、後になって後悔することになってしまいます。

『転職先を探す』『職場を決める』ということは、『自分の人生の半分をどのように過ごすのかを決めること』と同じ意味なのですから。


※転職先を探す前に、やっておかなければならないことがあります。 下記のコラムを参照ください。

→コラム「薬剤師として転職活動を行う前に知っておくべき3つのこと

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