薬剤師が職場見学で、注意すべき5つのチェックポイント+α

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薬剤師が職場見学で、注意すべき5つのチェックポイント+α

転職に失敗したくないなら職場見学は必須です

私は仕事上、転職を検討している薬剤師の方々と話す機会が多いのですが、その中でも、結構な割合の方が職場見学の重要性や、職場見学の際に気をつけるべきポイントをあまり理解していないように思います。
そのような薬剤師の方々には、給料や休日や残業の有無などの就労条件、福利厚生の充実度、入社後に行う業務の内容、取り扱っている医薬品の種類、1日の処方箋の数、レセコンや調剤機器等の設備、職場内の人間関係・・・等、転職先についてあらゆることを気にする一方で、転職先のあらゆる情報を取得出来る重要な機会である職場見学を軽視している傾向が見受けられます。

「自分が希望する就労条件と転職先候補の募集要項がある程度マッチしていれば、後は、面接時に確認すればいい」
「職場見学する時間があるなら、その分、面接先の数を増やした方が効率的」
「そういった手間の掛かることは、紹介会社の担当キャリアコンサルタントに任せておけば大丈夫」

という人もいますが、私は、そのような考えで理想の職場に転職することが出来たという人をほとんど見たことがありません。

仮に、転職して間もない頃は「良い職場に転職出来て良かった」ということはあるのかもしれませんが、時間が経つにつれて「こんなはずじゃなかった」「入社前の話と違う」というケースになることが非常に多いのです。

転職での失敗の一大要因は、転職前と転職後のギャップです。
そして、それを予防する為には、事前に職場を見学しておくことが一番効果的なのです。
職場見学を上手に行うと、求人案件に記載されている内容や、紹介会社の担当キャリアコンサルタントとのやり取りでは決して知ることが出来ないような情報を取得することが出来ることは勿論、やり方次第によっては、転職活動を有利に進められるというメリットもあります。
転職先候補となる職場のすべてが職場見学に対応してくれる訳ではないと思いますが、少しでも良い職場に転職したいのならば、転職で致命的な失敗を避けたいというのであれば、可能な限り職場見学を行うようにしてください。

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職場見学の際に注意すべきポイント

それでは、これから実際に転職先候補となる職場を訪れた際に見るべきポイント、気をつけるべきこと等をお伝えしていきます。
特に、現在転職活動中の方、近々職場見学の予定があるという方は、以下の内容をしっかりと頭に入れて忘れないようにしてください。

職場内の人員構成

 転職先候補の職場には、管理薬剤師や一般の薬剤師や医療事務等、既に複数の方々が働いていると思いますが、その方々の年齢層や性別等の構成割合から、いくつかの事をある程度の確率で予測することが出来ます。

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若い人や独身の方が多い職場の場合

その職場は活気があると受け取ることが出来るでしょう。しかし、その一方で、キャリアの長いベテランや既婚者に対する理解が不足している可能性があります。

知識やスキルや多くの経験があるのは素晴らしいことなのですが、あまりにも自分と前からいる職員との間にギャップがあり過ぎると、場合によっては、妬みや嫉妬の対象にされてしまうこともあります。

また、既婚者や子持ちの女性ならではの事情に対する理解が不足していることも考えられます。自分にとって当り前のことが通用しない、ということもあるかもしれません。

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男性(特に正社員)が多い職場の場合

貴方が男性ならば特に問題はありませんが、女性(特に子持ち)ならば注意が必要です。

男性が多い職場の場合、精神論や根性論等、女性には理解し難いような男性ならではの論理が職場内に蔓延っていることも少なくありません。

そういった職場の場合には、子持ちやパート主婦に対する理解が足りないこともあります。

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年輩やベテランが多い職場の場合

たまたま採用する機会がなかっただけということも考えられますが、もしかすると、若い職員が入社しても長続きしない何らかの理由があるのかもしれません。

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職場内の人間関係

職場見学という限られた時間の中で判断するのは難しいかもしれませんが、職場内の人間関係は、転職後に行う業務だけでなく日常生活に最も大きな影響を与える要素でもありますので、出来るだけしっかりと確認する必要があります。
見るべきポイントは、まず、職員同士のコミュニケーションが活発に行われているかどうか、業務上必要となる連携がきちんと取れているかです。

人間関係が良くない職場では、基本的に職員同士の会話がほとんどありません。
あったとしても、業務上最低限必要となる言葉ややり取りだけしか行われていないことが多いです。
但し、それとは逆に、「会話が多い=良い職場」とも限りません。
職員同士が仲良くしていると、「働き易そう」と思ってしまいがちですが、その会話の中身が業務上必要のない無駄話ばかりだと、患者さんの生命や健康に関わる仕事をしているというプロ意識が足りないと判断せざるを得ません。

他にも、上司の部下に対する態度、部下の上司に対する態度、薬剤師と受付や医療事務とのコミュニケーション・・・等、チェックしておくべきところはたくさんあります。
態度や表情や言葉使い等、出来るだけしっかりと確認するようにしてください。

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職員の業務姿勢と接客

自分の仕事に責任感ややりがいを持って働いている人と、会社の方針や与えられた仕事に不満を抱えながら働いている人には、その心の有り様の違いが何らかの形になって表に出ているものです。
嫌々ながら働いていないか、精神的に疲れた表情をしていないか、ミスをしないようにある程度の余裕を持って業務を行っているか・・・等、あらゆる角度からチェックするようにしてください。

また、特に注意しなければならないのは、患者さんに対する接客内容と姿勢です。
きちんと挨拶をしているか、笑顔で対応しているか、患者さんの容態や使用中の薬を確認しているか、お渡しする医薬品の説明を丁寧に行っているか・・・等、薬剤師として最低限行うべき業務がきちんと出来ているかどうかをよく見るようにしてください。

薬剤師の患者さんへの接客内容や接客姿勢の悪さは、職場内で起こっている数々の問題を浮き彫りにしているだけでなく、その職場の将来に大きな影響を与えるものであり、それはそのまま、そこで働く貴方にも大きな影響を及ぼすものなのです。

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薬剤師の業務内容

これは多くの人が気を付けていることだと思いますので、あまり多くの説明は行いませんが、一つだけ注意しておくべきなのは、募集要項に記載されていた内容や事前の説明と、職場で実際に行われている業務に違いがないかどうかです。
応需している医療機関の数や科目、取り扱い医薬品の種類、医薬品の管理方法、薬歴の作成方法、レセコンや調剤機器等の設備・・・といった項目は勿論ですが、1日の処方箋の数や業務の流れといったこともしっかりと確認するようにしてください。

特に、病院薬剤師の方は注意が必要です。
病院薬剤師が行う業務は非常に多岐に渡ります。
医薬品や注射薬の製剤、麻薬の取り扱い、患者さんへの服薬指導や容態の確認、患者さんのご家族への対応、医師や看護師との連携、チーム医療への関わり、各種会合や委員会への参加・・・といったことだけでなく、夜勤や残業の有無や量もきちんと確認しておかなければ、後になって思わぬ苦労を強いられることになってしまいます。

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医薬品の管理や職場内の整理整頓状況

私の経験上、職場内の整理整頓がきちんと行われていない会社は、職場内に多くの問題を抱えていたり、経営が上手くいっていないことが多いです。
商売上の大切な商品である医薬品はきちんと管理されているか、機器や設備は綺麗に使用されているか、職場内の掃除は行き届いているか、備品は整理整頓されているかといったことだけでなく、その管理体制も確認するようにしてください。

きちんとしたルールが決められているか、職員はそのルールに沿って業務を行っているかということは、経営がしっかりと行われているかということと密接に関係しているのです。

※注意
大手調剤薬局チェーンや多店舗展開しているドラッグストアには、転職後に実際に働く職場とは違う職場を見学させているところがありますので、確認を取ることを忘れないようにしてください。
もし、実際に働く職場とは違った場合には、配属先の職場や配属先候補となりそうな職場を出来るだけ聞き出し、後日、独自でチェックを行うようにしましょう。

 

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「見る」よりもっと大切なこと

上記の5つのチェックポイントで、職場見学の際に“見ておくべき”ところはご理解頂けたかと思いますが、実は、職場見学を今後の転職活動で最大限に活かす為には、「見る」以外にもう一つ重要なポイントがあります。

それは「聞く」ことです。

職場見学の際には、見学先となる職場の案内や説明をしてくれる担当者の方が付くことになりますが、この担当者の方からどのような話を聞くことが出来るか、どのようなコミュニケーションが取れるかは、職場見学において非常に重要なポイントになります。

意外と多くの薬剤師の方がこの重要性に気付いておらず、職場見学をただ「見る」だけで終わらせてしまっていることが少なくありません。
職場を訪れて自分の目で確認することは確かに大事ですが、自分の目で確認出来ることには限界がありますし、自分の目で見たものがすべて正しいとは限りません
自分の目で見てどのような判断を下すかは、目で見た現実だけでなく、そこに自分の経験や知識や常識や思い込みといった要素が必ず加わってしまうのです。

それに、職場見学で実際に見ることが出来るものだけがすべてではありませんし、職場によっては都合の悪い事実を隠していることだってあり得ます
自分の目で「見る」ことが難しい情報を得る為には、「聞く」のが最善な方法です。

職場見学という限られた時間の中ではありますが、見学先の担当者の方と積極的にコミュニケーションを取り、相手に良い印象を持ってもらえるようになれば、もしかすると、普通の職場見学者には聞けないような話を聞きだせるかもしれません。
仮に聞き出せなかったとしても、良い印象を与えることが出来ていれば、その後の面接であったり、実際に入社した後の働き易さにも違いが出てくるはずです。
また、担当者の方と積極的にコミュニケーションを取るようにすると、言動の端々から、その方の会社や仕事に対する考え方や想いを伺い知ることが出来るようになります。

会社を信頼していたり、自分の仕事に誇りややりがいを持って働いている人
会社に対して不満を抱えていたり、お金の為だけに働いている人

どちらの人が働いている会社を選ぶべきかは言うまでもないと思います。

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まとめと補足

・職場見学の重要性
・職場見学の際に見るべき5つのポイント
・「聞く」ことの効果

といったことをお話してきましたが、ご理解頂けましたでしょうか?

薬剤師の転職事情は、年々厳しくなっていくことが予測されています。
そういった状況になっていくと、これまでのように転職を繰り返すことで収入や就労条件のアップを図ったり、転職に失敗したからといって安易に次の職場に転職をするといったことが難しくなってしまいます。

いつまでも「売り手市場」は続きません。
これからの時代は、「転職の失敗=大きなダメージ」になってしまうのです。

コラムの中で述べてきたように、職場見学は、転職での失敗を防ぐ非常に有効な行為であり、今後の転職活動においては必須ともいえるものです。

今後、貴方が職場見学を行う際には、当コラムの内容を思い出し、実践して頂ければ幸いに思います。

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※職場見学については、以下のコラムも参考になりますので、是非、ご一読下さい。

コラム「転職時にブラック調剤薬局か見極める5つのチェックポイント

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