年収アップ , 転職のポイント - 薬剤師求人キャリアコラム -
薬剤師が、とにかくお金を稼ぎたいなら 【後篇】
他のお金を稼ぐ方法
「薬剤師が、とにかくお金を稼ぎたいなら 【前篇】 」では、薬剤師の地方勤務についてお話させて頂きましたが、今回のコラムでは、地方勤務以外で薬剤師がお金を稼ぐ方法ついてお話したいと思います。
※以下で説明する内容は、薬剤師であれば誰でも実践出来るという訳ではありません。
諸事情により「現在の収入では足りない」「稼がなければならない理由がある」という方で、実践可能な状況にあるという方のみを対象にした内容となります。
■ダブルワーク(副業)
本業の業務終了後や休日に別の職場で働くという方法です。
この方法を実践する為には、ある程度の体力とプライベートな時間を犠牲にする覚悟が必要になりますが、副収入だけでなく、本業では得られないような知識やスキルを身に付けたり経験を積むことが出来るというメリットもあります。
実例としては、調剤薬局や小規模な病院の薬剤師が、業務終了後や休日に、別の調剤薬局やドラッグストアで働くパターンが最も多いようです。
また、最近では、薬剤師の専門知識を活かしたライター業務や、英語に精通している人は翻訳業務等の副業を行っている人が増えているという話もよく耳にします。
このようなライターや翻訳業務は、インターネット環境さえあれば、誰でも何処に住んでいても行うことが出来ますし、通勤等の負担がないこともメリットになります。
興味のある方は、ネットで検索してみてください。
それほど苦労することなく見つけられると思います。
【注意事項】
注意しておかなければならないのは、管理薬剤師や公的機関や公立病院で働く公務員薬剤師は、この方法は使えないということです。
薬局等の管理責任者である管理薬剤師については、薬事法により副業(他の職場で薬剤師の資格を使って働くこと)が禁じられており、法律に違反した場合には、職場を解雇されたり、最悪、店舗の営業停止等の厳しい処罰を受けることがあります。
厳密に言えば、管理薬剤師が薬剤師の資格を必要としない副業を行うことは可能なのですが、管理薬剤師には、一般の薬剤師や現場を管理・統括するという大きな責任と役割がありますし、次々と登場する新薬等の情報収集や知識を身に付ける必要もあるので、本業が疎かになる可能性がある副業はお勧めできません。
公務員薬剤師についても、公務員としての「職務専念義務」があり、如何なる副業であっても行うことが禁止されています。
また、一般の薬剤師だから大丈夫という訳でもありません。
法律で禁止されていなくても、社内の規則によって副業が禁止されている場合がありますので、副業を検討する際には、必ず就業規則を確認するようにしてください。
仮に、就業規則に副業の禁止事項が記載されていなかったとしても、上司や経営者に確認を取っておいた方が無難です。
職場に黙って副業していたことがバレて、本業がクビになったのでは本末転倒です。
■夜間勤務(夜勤)
薬剤師の勤務時間は日中の場合がほとんどですが、緊急病院や夜間診療所、24時間営業のドラッグストア等では夜勤の薬剤師が必要とされていますし、最近では24時間対応の調剤薬局も徐々に増えてきているようです。
勤務先の業態や雇用契約内容によって手当の種類や賃金の支払い方法は違うと思いますが、
日勤の薬剤師の方は、「夜勤に切り替える」「夜勤の日を増やす」「夜勤のアルバイトをする」「夜勤がある職場に転職する」この何れかを実践することで、今よりも大きく収入を増やすことが可能になります。
特に、夜22時以降は、深夜の割増手当が付くので更に夜勤の効果は大きくなります。
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※労働基準法第37条3
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使用者が、午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働について、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
つまり、夜22時~翌5時の間の賃金(時給)は、通常の25%増になるということです。
また、夜勤を行うメリットとしては、緊急の患者さんへの対応力が身に付いたり、日勤ではあまり扱わないような薬を扱うことで、スキルアップが図れるということもあります。
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【注意事項】
夜勤を行うようになると、人によっては、昼夜が逆転したことで不規則な生活になってしまったり、夜勤の生活リズムに慣れるまで時間が掛かってしまうことがあります。
或いは、元々夜が苦手な人が無理に夜勤に転向してしまうと、身体を壊すこともあります。
また、独身の薬剤師の方なら特に問題はないと思いますが、結婚していたり、子供がいる場合には、家族の了解や協力が不可欠です。
家族の中で自分だけ違うリズムで生活を送るようになると、夫婦や親子の間での意思疎通を行う機会が少なくなってしまうこともあり得ます。
いくら頑張ってお金を稼いだとしても、家族関係に亀裂が入っては何の意味もありません。
そういった心配がある人は、いきなり全てを夜勤に変えるのではなく、週に1回や2回の夜勤から始め、様子を見ながら少しずつ回数を増やしていくという手もあります。
■転職
今よりも多くの収入が見込める職場へ転職するという方法です。
これは多くの説明は必要ないと思います。
但し、収入を最優先にした転職先探しは、失敗する危険性が非常に高くなってしまうので注意が必要です。
例え、お金を得ることを目的に転職するとしても、
・何故お金を稼ぎたいのか?
・具体的にいくら稼ぎたいのか?
・お金以外にこれだけは譲れないというものは何か?
・お金を得るためなら妥協できるものは何か?
といったことだけは、転職活動を始める前に明らかにしておかなければなりません。
何故なら、転職をする具体的な目的と、自分の価値観をしっかり理解していなければ、冷静に物事を判断することが出来なくなってしまうからです。
焦りすぎはミスの一大発生要因です。
いくら現在が「売り手市場」とはいっても、転職活動は出来るだけ慎重に行うようにしてください。
※転職による収入アップの方法については、以下のコラムを参照してください。
「薬剤師の為の正しい年収アップ術」
お金を稼ぐことも大事ですが・・・
このコラムをお読み頂いているということは、「今よりもお金を稼ぎたい」という方だと思いますが、最後に一つだけ注意しておきたいことがあります。
それは、薬剤師という仕事は、多くの患者さんの健康や生命を大きく左右する重要な役割を持った仕事であり、ミスが許されない仕事だということを忘れてはならないということです。
ここまで3種類の方法を説明してきましたが、どの方法を実行するつもりだとしても、自分に過剰な負担を強いた結果、薬剤師としての業務に支障を来す可能性があるのならば、それは止めて頂きたいと思います。
どうしても実行する場合には、自分の状態や自分が置かれている環境をよく見極め、それでも実行する必要があるという場合だけにしてください。
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