キャリア , 独立開業 - 薬剤師求人キャリアコラム -
薬剤師のキャリアアップ、失敗しない独立開業は? 【後篇】
薬局開業、成功のために
今回のコラムは、前回のコラムの後編です。
薬剤師のキャリアアップ、失敗しない独立開業とは? 【前編】
自分の力で一から調剤薬局を作り上げることを考えた場合、やるべきことや課題のあまりの多さに不安を抱くようになると思います。
・開業資金にはどのくらい必要なのか?
・どうやって資金を作るか、もし足りなくなったらどうするのか?
・どこに出店すれば多くの処方箋を集められるのか?
・独自経営が良いのか、それともフランチャイズや大手チェーン傘下が良いのか?
・どうやって出店場所を探せばいいのか?
・店舗の建築・内装費用にはどのくらい掛かるのか?
・調剤機器等の設備は何を用意すればいいのか?
・スタッフはどのようにして集めればいいのか?
・スタッフの給料、福利厚生、教育はどのようにすればいいのか?
・各種の申請手続きや契約手続きはどのようにすればいいのか?
・調剤薬局を経営するには、何を学べばいいのか?
・事業計画はどのように作成すればいいのか?
・最低限いくらの売上げが必要になるのか?
・黒字化するまでどれくらいの期間の猶予があるのか?
・どうすれば余剰在庫を抱えないような医薬品の仕入れが出来るのか?
・税務関係の問題にはどのように対処すればいいのか?
・採用したスタッフが辞めてしまった場合にはどうすればいいのか?
・分らないことがあったら誰に相談すればいいのか?
・もし何かトラブルが起きてしまったらどうすればいいのか?
・もし赤字になってしまったらどうすればいいのか?
・・・・・etc
思いつくままに羅列してみましたが、実際に「独立」「開業」を検討している人の中には、上記に挙げた課題だけでなく、もっと深刻な問題や解決すべき課題があるという人もいるのではないでしょうか?
しかし、上記に挙げたようなことは、「独立」「開業」する上で“最低限”クリアしなければならない課題の一部に過ぎません。
「独立」「開業」を成功させられるかどうかは、もっと別の要因に大きく左右されるのですが、「独立」「開業」を検討している多くの人が間違った考え方や行動を取っている場合も少なくないのです。
「独立」「開業」を検討している人が起こしやすい間違いとは?
恐らく、「独立」「開業」を検討しているほとんどの人が、上記のような課題に直面し、その解決に頭を悩ませているのだと思います。しかし、大学を卒業してから現在に至るまで薬剤師として一所懸命に生きてきたのであれば、それはある意味で仕方のないことです。
大事なのは、それらの課題についての“考え方”と“対処の仕方”です。
この2つが「独立」「開業」の成否を大きく左右するのです。
薬剤師のキャリアアップ、失敗しない独立開業とは? 【前編】のコラムの冒頭で、私は以下のようなことを書きました。
↓
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(冒頭抜粋)
ただ、「独立」や「薬局開業」を検討している薬剤師の方の多くが、「独立」や「薬局開業」に対する考え方であったり、実際に考えている進め方が少しズレていて、私から見ると「本当に大丈夫かな?」「このままでは危ないかもしれない?」といった不安を感じることも多々あります。
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「独立」「開業」を検討している人がよく間違えるのは、一言で言うと、“調剤薬局を作るのが目的になってしまっている”ということです。
自分の力で調剤薬局を開業するのは、自分なりの「目的」や「理由」があったはずなのに、次々と目の前に現れる課題に大きな不安を感じたり、少しでも楽な方法がないかとあらゆる情報に振り回された結果、いつの間にか本来の目的を見失い、調剤薬局を作ることで頭の中が一杯になってしまうのです。
こういった人は、安易に「ノウハウ」や「解決法」を求める傾向があります。
ノウハウには無駄な労力を減らしたりスピードを短縮する効果がありますし、ノウハウや問題の解決法を求めること自体が悪い訳ではありませんが、それも、ケースバイケース、時と場合、課題や問題の中身に依ります。
「独立」「開業」には、スピードが求められる局面もありますが、自分自身がしっかりと納得いくまで考え抜かなければならないような課題も実は少なくないのです。
また、調剤薬局を作ることが目的化してしまっている人の傾向としては、安易にノウハウや解決法を求める他にもにも、以下のようなものがあります。
薬局を作ることだけを目的にしてはいけない
「独立」「開業」を検討している人だけでなく、既に行動に移しているという人も、自分の考え方や取ろうとしている(取っている)行動が間違っていないか、今一度、自分を見直すきっかけにして頂ければと思います。
・効率化やスピードを重視し過ぎる
・自分で考えるよりも、人の知識やスキルに頼ろうとし過ぎる
・頭の中は、お金のことが大半を占めている
・人の話、特に儲け話を安易に信用してしまう
・店舗の内装や設備に必要以上にこだわる
・売上げの見込みや、必要経費を楽観視し過ぎている
・初期投資にお金を掛けすぎてしまう
・上手くいくことしか考えていない
・・・・・etc
調剤薬局を開業するのは、あくまでも目的を達成する為の手段に過ぎません。
薬局を作ることは一つの通過点なのです。
・何故、独立や開業をするのか?
・独立や開業することで何を手に入れたいのか?
このことを絶対に忘れないように心掛けてください。
「独立」「開業」を成功させる為には何が必要で、どのようなことに注意すべきなのか?
「独立」「開業」を成功させ、目的を達成する為には以下のようなことが必要になります。
成功に必要なこと①:決意・覚悟
本コラムの前篇の『「独立」「開業」する目的と理由』の項でも述べたように、「独立」「開業」する目的や理由は何でも良いのですが、成功を手にする為に必要なことは、それを“必ず実現する”という決意や覚悟です。
これが、「独立」「開業」を成功させる為の大前提になります。
「もっとお金を稼ぎたい!」
「理想のライフスタイルを手に入れたい!」
「人に扱き使われるのではなく、自分の裁量で薬局を経営したい!」
「患者さんの為、薬剤師の為に、自分が理想とする薬局を作りたい!」
どのような目的や理由であれ、それを絶対に手に入れるという強い決意や覚悟がなければ、「独立」「開業」時に発生するあらゆる障害を乗る越えることは出来ません。
何となく「もっとお金が稼げたら良いなぁ」程度の気持ちや、「薬剤師としての経験も積んだし、多分大丈夫だろう」といった安易な考えで独立や開業してしまうと必ず痛い目を見ることになってしまうので、注意が必要です。
調剤薬局を開業するのには、多くの資金や労力や時間が必要となります。
もし、開業して失敗してしまったら、取り返しのつかないほどの痛手を被ります。
「独立」「開業」ということが頭に浮かんだら、その想いが本物なのかどうかを確かめる時間を充分に取るようにしてください。
多少時間は掛かってしまうと思いますが、中途半端な気持ちで「独立」「開業」するよりも、成功する確率は遥かに高くなるはずです。
成功に必要なこと②:経営者マインド
「独立」「開業」する場合には様々な知識やスキルが必要になりますが、最も優先して身に付けなければならないのは、経営者の視点や考え方です。
極端な言い方をすると、これさえ身に付けておけば、他の事は後で何とでもなります。
雇われの立場だった薬剤師が経営者の視点や考え方を身に付けるのは簡単なことではありませんが、薬剤師として働きながらでも学ぶことは出来ますし、それは避けて通ってはいけないことです。
まずは、今の職場の経営者の発言や行動を注意して観察することです。
もしかすると、「独立」「開業」しようと思ったきっかけが、今の職場の経営者に対する不満という人もいるかもしれませんが、どのような経営者であったとしても、実際に会社を経営している人間の発言や行動には学ぶべきところがあるはずです。
「何故、このような発言をするのか?」
「何故、このような要求をするに至ったのか?」
そういったことを真剣に理解しようとすれば、必ず考え方は変わるはずです。
コストに対する意識、売上げに対する考え方、患者さんへの対応、医薬品や人材の管理、取引先との関係性・・・等、あらゆる事柄をこれまでとは逆の視点から見られるようになれるまで続けてみて欲しいと思います。
また、日々働いていれば、仕事の内容だけでなくあらゆることに不満や問題を感じることもあると思いますが、経営者と雇われる側の両方の視点で物事を見たり考えたり出来るようになると、これまで単に不満を抱いていた問題に対して、「何故、このような問題が起こるのか?」「この問題を解決するにはどうすればいいのか?」といったことが考えられるようになります。
こういったスキルは、「独立」「開業」すると大いに役立ちます。
不満や問題を感じたら、その解決法もセットで考えるように訓練しましょう。
成功に必要なこと③:人脈とコミュニケーション力
毎日多くの患者さんと向き合ってきたからコミュニケーションには自信があるという人もいるかもしれませんが、自分で調剤薬局を開業する場合には、薬剤師として働いてきた時とは違ったコミュニケーション力が必要になります。
対患者さんとのコミュニケーションは、患者さんからの聞き取りや服薬指導といった「教える人、対教えられる人」という構図が主になりますが、調剤薬局の経営者となると、患者さんや薬局内のスタッフだけでなく、取引先等の薬局外の人とのコミュニケーションが求められるようになり、自分の立ち位置や付き合い方も相手によって変えたりすることが必要になってきます。
また、処方箋を出してくれる医療機関の医師、医薬品の卸業者、調剤機器メーカーや各リース会社の担当者、近隣の住民・・・等、あらゆるジャンルの多くの人達と円滑なコミュニケーションを取る為には、これまで経験してこなかったようなことをしなければならなくなることが多々あります。
時には、一緒に食事に行ったりお酒を飲んだり、取引先の忘年会や新年会やゴルフ等の行事に参加したり、地域の会合やイベントに出席したりしなければならないかもしれません。
或いは、無償で何かを提供したり逆に提供してもらったり、誰か人を紹介したりしてもらったり・・・といったことも考えられます。
特に、処方箋を出してくれる医師との付き合いは最も重要です。
医師と良好な関係を築いていけるかどうかは、調剤薬局の経営に大きく関係してくるものですが、だからといって、医師の言うことを何でも鵜呑みにすれば良いという訳ではありませんし、それが重要だとも思いません。そのような関係性は、初めはよくても必ず破綻してしまいます。
お互いの仕事と立場を尊重し合い、言いたい事は遠慮なく言い合えるような関係を築いていけるよう、上手な付き合いを心掛けるよう必要があります。
こういったビジネスライクな付き合いは嫌という人もいるかもしれませんが、調剤薬局は地域に根付くことが必須のビジネスである以上、人付き合いは絶対に避けられません。
また、自分で開業するというと、何でも自分の好きなように出来ると考える人もいますが、商売というのは、お客さんや多くの取引先等あらゆる人達との関係性の上に成り立っているものであり、決して経営者一人の力だけでは存続することは出来ないものです。
それに、多くの人達と良好な関係を築いていく事には様々なメリットもあります。
何か問題やトラブルが発生した場合、誰かが助けてくれるかもしれません。
何か有益な情報を提供してもらえるかもしれません。
多少割り切ってでも上手く付き合っていけるように努力してください。
成功に必要なこと④:資金(特に運転資金)
調剤薬局を開業するのにはかなりの開業資金(イニシャルコスト)が必要になりますし、開業した調剤薬局を軌道に乗せるまでにもそれなりの運転資金(ランニングコスト)が必要になります。
開業資金は、開業する地域や場所、新たに建設するのかそれともテナント物件や居抜き物件に入るのかによって建築費用や内装工事費は大きく変わりますが、最低限必要となる調剤機器や管理設備、什器や備品や消耗品、医薬品の仕入れ代金、人材の採用コスト等に掛かる費用を見ておかなければなりません。
運転資金は、どれくらいの処方箋を集められるかに大きく左右されますが、仮に上手くいったとしても調剤報酬が支払われるまでの3ヶ月は掛かりますので、その分は最低限必要になります。
開業資金と運転資金の両方を合わせると、
・物件取得費
-保証金(賃貸料10カ月分) 500万円
-仲介料(賃貸料1カ月分) 50万円
・設備工事費・什器備品費等
-内装外装工事費 350万円
-調剤管理システム 120万円
-什器・備品費・その他 250万円
・開業費
-運転資金(調剤報酬2ヶ月分) 1,000万円
-商品仕入 400万円
-社員・アルバイト募集費 20万円
-開業前人件費 30万円
-開業前賃借料 40万円
-その他 10万円
※これは、あくまでも一例です。
最低でも2~3,000万円程度のお金が必要ということになりますが、問題は、その資金をどうやって用意するかです。
自分資金、金融機関からの借入れ、親や身内からの援助、投資家等の第三者からの出資といったことが考えられますが、本気で「独立」「開業」を考えるのならば、私は最低でも1,000万円は自分の力で用意すべきだと思います。
もし、自分で1,000万円も持っていないという人は、下記のコラムを参考にして、今の仕事で頑張るか、アルバイト等で稼いででもお金を貯める算段をする必要があるかもしれません。
薬剤師が、とにかくお金を稼ぎたいなら 【前篇】
薬剤師が、とにかくお金を稼ぎたいなら 【後編】
少しキツイ言い方かもしれません、1,000万円程度のお金を貯める努力や工夫を行えない人は、仮に「独立」「開業」したとしても上手くいかない可能性が高いと言わざるをえないからなのです。それぐらい、独立後は想定外のことが、しかも“連続”に否応なく起こってくるものなのです。
上記でも述べたように、「独立」「開業」すると、あらゆる障害が立ち塞がることも多いですが、そんな時、自分のお金で商売している人と人のお金で商売している人とでは、障害に立ち向かうパワーやエネルギーに大きな違いが生まれます。
自分のすべての持ち金どころか更に借金までして、仮に失敗したら莫大な借金だけが残るという状況に追い込まれた人間は凄まじい力を発揮します。
私も実際に、そんな人間の力をたくさん見てきました。
(ちなみに自己資金にもメリット・デメリットがあるので、一概にその良し悪しを言いたいわけではありません。)
それに、自分でお金を貯める努力をしてまで「独立」「開業」する人間の本気度は、金融機関だけでなく、周囲の数多くの人達も必ず見てくれています。
何か困ったことがあった場合、その人達が助けてくれることもあるのです。
成功に必要なこと⑤:出店場所
やはり、新規の調剤薬局が安定した処方箋を集める為には、出店する場所がかなり重要になってくるのは間違いありません。しかし、医療モールや医療ビル等の好立地のテナントに出店するには、それなりの資金力やコネが必要で、初めて調剤薬局を開業する場合には現実的な選択肢にはなることは少ないかもしれません。
私がこれまで見てきて、良い場所に調剤薬局を開業、新規出店できたケースは、
・未だ分業していない医院を見つけ出し、そこの医師を口説き落とす。
・地域にこだわり過ぎない。
・絶対に焦り過ぎない。
未だ分業していない医院を見つけ出す為には、自分の足を使って探す方法と、情報を提供してくれる協力者を増やす方法がありますが、この2つは同時進行で行ったほうがよいです。
「独立」「開業」を検討している人の多くは今も現役の薬剤師として働いているでしょうから、就業後の時間や休日を利用して行動するしかありません。
まずは、事前に候補地となりそうな場所をピックアップしておき、休日等に実際にその地域を訪れ、一件一件自分の目で薬局の有無を確認し、良さそうなところがあったら直接交渉するという方法です。
実行するにはかなりの勇気が必要となりますし、好条件の案件が見つかるかどうかも未知数で、とても効率が良い方法とは言えませんが、医師と話をすることができれば、その地域の土地柄や分業していない理由等の貴重な情報を得ることが出来るはずです。
やってみる価値はあるのではないでしょうか。
また、情報を提供してくれる協力者を増やす為には、少しでも情報を知っていそうな人に常に声を掛けておくしかありませんが、実際に情報を提供してくれるかどうかは、貴方の日頃の仕事振りや人間性に対する評価が大きく左右することになります。
「この人なら大丈夫」と思われるよう、日々の努力を怠らないようにしておいてください。
次は、地域にこだわり過ぎてはならないということです。
「独立」「開業」しようとする人の多くは、自分の地元やよく知っている地域で開業しようとしますが、そういったやり方ではなかなか上手くいきません。
「独立」「開業」を成功させたいのであれば、自分が開業したい地域ではなく、調剤薬局の需要があると思われる地域で開業しなければなりません。
(都会で氷を売るよりも、砂漠で氷を売ったほうが、当然簡単に上手くいきますよね?)
その位の覚悟も持てないようでは、「独立」「開業」するべきではないと思います。
また、焦り過ぎないということも非常に大事なポイントです。
「早く開業したい」という気持ちが強くなり過ぎると、物事を見る目を曇らせてしまい、大きな判断ミスを起こす可能性が高くなってしまいます。
それに、そういった焦りが表面に出過ぎてしまうと、貴方を騙そうとする悪い輩が出てくることも考えられます。
どんなに良いと思えるような案件を紹介されたとしても、決して決断を急いではいけません。しっかりと納得いく確認が出来るまで、最終的な決断はしないほうがよいと思います。。
薬局開業を失敗させる人の共通点
これまで、どうすれば「独立」「開業」で成功出来るのかについて述べてきましたが、逆に、「独立」「開業」で失敗する人にもそれなりの特徴があります。
・出来るだけ楽をして成功しようと考えている人
・何でも人任せにしてしまう人
・お金のことや自分のことばかり考えている人
・何事も楽観視し過ぎて、リスクを想定しない人
・本来の目的をすぐに忘れてしまう人
・安易な気持ちや考えで「独立」「開業」しようとする人
・雇われ根性のまま「独立」「開業」する人
・・・・・etc
簡単に言うと、私がこれまでお話してきた“成功する為の考え方や方法”を理解せずに「独立」「開業」してしまった人です。
また、「独立」「開業」に成功し、複数の店舗を経営して大きな収入を得るまでになったという人の中にも、最終的には失敗に終わってしまったという人がいます。
そういった人達の多くには、成功して大きな収入を手にしたことで「独立」「開業」当初の目的を見失ったり、考え方が変わってしまったという共通の失敗原因が見られます。
大金を手にしたことで、まったく畑違いの新事業を次々と興したり、株や不動産に手を出したり、仕事への情熱を失って放漫経営になってしまったり、脇が甘くなり人に騙されてしまったり、無駄なことにお金を使いすぎてしまったり・・・等です。
これから「独立」「開業」しようとする人にはあまりピンとこないかもしれませんが、こういった人達も数多くいるということだけは憶えておいてください。
最後に
「独立」「開業」を検討している薬剤師の方に向けて、色々と言いたい事を述べてきましたが少しはお役に立つような内容がありましたでしょうか?
「独立」「開業」にチャレンジするのは素晴らしいことだと思います。
高い志を持った薬剤師の方が「独立」「開業」し、その想いを叶えるような調剤薬局が増えていけば、患者さんは勿論のこと、薬剤師の職場環境も良いものになっていくでしょう。
ただ、これまでも何回も述べてきたように、「独立」「開業」には大きなリスクが伴います。
「独立」「開業」を決断してしまう前に、本当に「独立」「開業」することが自分にとって正しい道なのか、大きなリスクを取ってまで手に入れたいものは何なのか、そういったことをしっかりと納得出来るまで考える時間は十分に取るようにしてください。
また、「独立」「開業」は、薬剤師としての一つのキャリアではありますが、絶対にしなくてはいけないものではありません。あなたの価値観や志向性によっても向き不向きがあるのもまた事実です。ですので、無理をする必要は全くないのです。それどころか安易な選択によって、大きなリスクを追って欲しいとは思っておりません。
また、薬剤師の皆さんがこれまで頑張ってきた結果ではありますが、幸いなことに薬剤師の市場価値は、(平均年収で比較した場合)普通のサラリーマンよりも1.7倍高いと言われています。 あなたの必要としてくれている薬局やドラッグストア、病院は多くあります。
ぜひ広い視野を持って、薬剤師としての次のキャリアを選択してもらえたらと思います。
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